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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第六話 二つの巨壁
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「うちらの場合はマツバはんが居なくなる前に本人直々に頼まれたんどす。昼と夜は
忙
(
せわ
)
しないから朝限定でやっとります。で、バッジが欲しければうちら五人に勝っておくれやす。一人一人戦ってねえさんのタマオに勝ちなはったらこのファントムバッジを差し上げるどす」
コモモが淡々とした調子でそう言う。
「五人全員がジムリーダーという認識で宜しいのですね?」
エリカがサツキに尋ねる。
「事実上はウチがリーダーどすが……。それでも間違いではないどす。あと、途中の挑戦辞退は最初からやり直しになるどすえー」
俗に言うリーグ方式である。
「よし!頑張るぞ!」
「私もです!」
―――――
この後、二人は別々に戦い5人全員を倒した。
「二人とも流石でおわすなぁ。惚れ惚れしたさかい、ファントムバッジ、受け取るどす」
タマオが二人分のファントムバッジを手渡す。
「有難うございます!」
エリカがお辞儀をする。
「ここから先は東西に別れとりますー。東に行けばチョウジという街に着き、そこはヤナギというおじいさんがジムリーダーを務めとりますえ」
タマオの隣に居たサクラがそう案内した。
「西に行けばアザキに戻りますー。そこにはミカンというまだ幼い子がジムリーダーをしとります。ほな、あんさんがたお気張りやすー」
タマオ及び舞妓たちの励ましを聞いた後、二人はジムを出た。
―ジムの外―
「ふう……なかなか手強かったですわね」
エリカが息をつきながら言う。
「仮にもブイズだしな……。五体連続はマジできつい。つかよく、ブースター突破できたな」
レッドは素直に感心していた。
「ルンパッパが頑張ってくれたのが功を奏しましたわ……。さて、折角エンジュに来たのですし、少し観光でも致しません事?」
エリカはそれとなく、目を輝かせながら提案した。
「お前知識自慢したいだ」
勉学に関しては完全な門外漢であるレッドにとって
薀蓄
(
うんちく
)
を語られるのは結構な苦痛な様子である。
「何か仰せになりました?」
レッドは何か言い返そうとしたが、エリカの見せざる圧力で抵抗をあきらめた。
「じゃあどこ行くの? やけた塔?」
レッドは既知の限りで観光名所を捻り出す。
「左様ですわね。まずはそこに致しましょう。まだ入れれば宜しいのですが……」
という訳で2人は焼けた塔に向かった。
―焼けた塔―
焼けた塔は少し再建が進んでおり、関係者以外の立ち入りは禁止されていた。
「あら、噂は聞いておりましたがダメでしたか……。豪壮華麗であったカネの塔の焼けた後の趣深き所……、もう一度見てみたかったですわ」
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