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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第六話 二つの巨壁
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!」
レッドは訳がわからなくなり、叫ぶ。
「なんとまあ取ってつけたような……。しかし困りましたわね。これだとバッジが……」
エリカが息をつきながら言うと、後ろから声がした。
「リーダーはウチらどすえ!」
見計らってきたかのように出てきたのは5人の和服を身にまとう煌びやかな格好をした女性である。
「何なんですか、あんた方は」
レッドは不機嫌なせいもあり、少々ぶっきらぼうに言った。
「何だとはいけずな人どすなぁ。この姿見て見覚えありまへんかー?」
まずはタマオが言った。
「色彩豊かで煌びやかな京友禅に、菜の
花簪
(
はなかんざし
)
……。舞妓さんですわね」
エリカは端的に言い当てる。
「ピンポーン! 正解どす。さすがエリカはんどすな、きちと教養が備わっとる。京友禅と加賀友禅の違いをハッキリ言い当てられる人はそうそうおらんどす」
サツキは言うと、気持ちよさげに手に袖をやりながらホホホと笑う。
「それに比べてレッドはんは……。うちらの職すら知らへんとはいくらバトルが強うても、いつか恥をかきますえ」
コモモがレッドをあざける。
レッドはそれに対し冷や汗をかきながら意地を張った。
「し、知ってますよまいこぐらい」
「ほならお聞きしますえ。芸者と舞妓の違い。ざっくり言うとなんでしょかー?」
サクラが問題を出した。
答えを知るはずも無いレッドは窮する。
「皆さん出身はどちらですか?」
エリカはさりげなく世間話をし始めた。レッドは人の気も知らず悠長な事しやがって等と思っていた。
「うちら皆、エンジュ生まれのエンジュ育ちどすえー。皆仲のええ姉妹どすー」
タマオが上がり調子の声でそう言う。
「まあそうなんですか! 私、タマムシで芸者」
エリカはわざとらしく素っ頓狂な声を出して続けようとしたが、
「エリカはん! それ以上は言ってはあきまへん!」
サクラに何かを気づかれたのか、制止される。
そこで彼はエリカの世間話にヒントを得る。そこで直感からなんとか答えにたどりつき、大きな声で言った。
「どこでやっているか!カントーでやっているのが芸者でジョウトがまいこ!」
「どこか浮ついた物言いどすな……。ただ、勘の良さは認めるどす」
サツキは素直に認めた様子である。
「さて、無駄話はそれくらいにして、あんさんがた挑戦どすか?」
タマオが話を戻す。
「そうですけど……。もしかして代行ですか?」
レッドが尋ねた。
「そうどす。エンジュのしきたりでリーダーが居てない時は、資格を持つうちらが代行を務めることになっておす」
サクラに続いてサツキが言う。
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