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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第六話 二つの巨壁
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い」
レッドは様々な要因で内心晴れ晴れとしていた。
―エンジュシティ 古の都。歌舞練場やスズの塔があり、
キキョウとは対照的な雅を基調とするジョウト最大の文化都市にして、
ジョウトの頂点であるエンジュ大学や附属中央図書館と学問都市でもある。
焼けた塔の再建が進んでいる。
建築協定で景観の保持の為一軒家、低層店舗しか建てられない。
―17時40分 エンジュシティ 羅城門前―
エンジュシティは、夕方という時間帯もあってか一層風情のある形となっていた。
道は綺麗に掃除されており、塵一つ落ちていない。
「まあ……」
エリカは門をくぐりぬけるや否や、感嘆の声をあげる。
「貴方、見て下さいよ! このスリバチ山で切り出した石で作り、ヒワダの職人が作った石畳! ケヤキやカエデの街路樹も整然としていて落ち着きますわねー。あ! あれは……」
と、彼女は堰を切ったかのように喋り始め、あちこちに足を運ばせている。
普段の貞淑な雰囲気とは打って変わって、好物を得た子どもの如き印象を受ける。
「なあ、レッド」
そんなエリカを見て、呆気に取られた様子のアカネはレッドに尋ねる。
「はい?」
「あの子、こないな風にはしゃぐ子やったっけ?」
「和風な子ですからこういう所に来ると居ても立ってもいられなくなるんでしょう。キキョウの時点でこうなる気は薄々ながらもしてましたけどね……」
と、口では冷めているが普段見ないエリカの様子に少し嬉しくなってる様子だ。
「そか……。はあ、来る場所でこんなにも人って変わるもんなんやね。全く好きこそ物の上手なれーとは言うけど、あの子はちと病的なとこあるかもしれへんな」
アカネは力なく笑いながらそう言った。彼女もどこか諦めている様子である。
その後、すぐに息を大きくついて続ける。
「それにしてもここに来んの受験以来やなー。相変わらず綺麗なところやね」
アカネは澄んだ顔をしてそう言った。他意はない様子だ。
「エリカにとっては刺激が強すぎるでしょうけどね。ただ、気持ちはわからなくはないです」
「ホー。レッドにも分かるんか。たまげたなあ」
アカネは陽気に笑いかけながら言う。
「なんですかその言い草……俺だって一応義務教育は」
「いやいや。小学校出れたくらいの子でも分かるくらいエンジュって凄いとこなんやなー思うただけやて。気ぃせんといてえな」
彼女はじゃれてるかのような口調で言った。
レッドがくすぶった顔をしていると
「あー、そうそうレッドしっとる?」
アカネは思い出したかのような口調で言った。
「何をです?」
「エンジュというたら、リーダーのマツバやろ? これは絶対内緒やけ
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