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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第六話 二つの巨壁
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じゃ。ワシに任せれば数日でロケット団に従順かつ強力な武器と化させることが出来ると言うておるのじゃ」
「無茶をいうな。調教に慣れた手練どもを集めても一週間は最低かかる。オーキド殿は机上の理には強かろうが実態はさほど知るまいよ。ここは我々に」
「何千体もいるであろうポケモンを調教するのに何年かかると思っておる。往時の頃ならばともかく、いまやサカキ殿一人しかいない。よしんば集まったところでそんな手勢でいったい何年かけるつもりかの?」

 その追及を受けるとサカキは押し黙る。今の己の非力ぶりをよく理解しているのだろう。

「だがこちらにはワシだけではない、研究員が100人ほど居る。1日で全ポケモンのデータベースを作らせることくらいは造作も無い。後は少々面倒じゃがワシの手で実行に移す。ワシの試算じゃとどう長く見積もっても6日程で終わるわい」
「フン、そこまで言うならやってみろ。ただ引き渡した後は」

 サカキはこれ以上の抵抗は身の破滅を招くと思ったのか、はたまた興味を持ったのか定かではないが、据わった目で言う。

「分かっておる。どんな事に使おうと口出しはせんよ」

 と言って不敵な笑みを浮かべた。

―そして、その後エンジュ大のオリエンテーションが14時から17時まで実施され参加生徒2500人から5315匹を回収した。これに関して二日後に大量にポケモンが居なくなったという事案が発生した。しかし警察は捜査しても手がかりがつかめずじまい。マスコミには厳重な報道規制が布かれた―

―3月20日 17時20分 エンジュシティ付近―

 さて、一行はそんなおぞましい事が起こっているとは露知らず。
 その日の夕方に入ると悠然として佇むスズの塔が見えた。
 古都、エンジュシティのおでましである。
 更に進むとやがて三人の目の前にはエンジュシティの入り口にある門に到着する。

「あら、これは羅城門ですわね。という事はこの先はエンジュシティ……、胸が高鳴りますわ!」

 エリカは入り口の門を見つけると、パッと両手を組んで喜びをあらわにする。

「やった……エンジュだ」

 レッドは荷物を持たされた上にストレスも響いたのか疲れた声で言う。

「エンジュだ。やない! もうおわってしもうたやんか! どうしてくれんの!?」

 アカネはレッドをけたたましい口調で責める。

「まあまあ大学によれば二回目もあるようですし……明日でしたか?」

 エリカはそう言ってアカネを宥める。

「まあ、せやけどな……はぁ、余計に金が飛ぶやんかぁ」

 アカネは意気消沈としている。コガネ人はやはり金の出入りに敏感なのだろうかとレッドは思う。

「まあまあ、とにかく先に行きましょう」
「そやね……」
「あー早く風呂入りた
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