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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第六話 二つの巨壁
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る。
 図鑑を使ってエリカの裸でも見ようかなどという不埒な思考も出たが、それは流石に本人が可哀相な上、実力で奪い取りたいという念も強くある。それにもしエリカに露見したら三行半をつきつけられかねない。
 あれから三十分して日記帳は片付け今度はその手帳らしきものに手をかけた。
 先ほどよりもさらに根をつめている様子で、1時くらいになって彼女は身の回りのものを片付けようやく床についた。

 翌朝出発し4日ほどでチョウジタウンに到着した。

―チョウジタウン 元忍者の里、チョウジ。
 ポケモンセンターのみで店は土産物屋しか無い田舎町である。
 しかし風光明媚な所故か否か心もおおらかな人が多い。
 かつては土産物屋の地下がロケット団のアジトだった。
 高齢化が進んでおり三人に二人が高齢者だ。
 大学はないが、高校までが有る。

―3月26日 午前6時 チョウジタウン―

 チョウジタウンに到着すると、レッドは大きく伸びをする。

「のどかな所ですわね」
「何かラジオ体操している人も居るし健康そうな人が多い印象を受けるね」
「確かに。そうですね」
「さて、ジムに行ってみるか」

―チョウジジム―

 貼紙が出されている。

―現在外出中 用のある人はいかりの湖まで ヤナギ―

「これはまた闊達な字だこと」
「仕方ない、いかりの湖に行ってみるか」

 いかりの湖までは鉄道が走っている。
 2人は急ぎなので止む無く鉄道を使っていかりの湖へ向かう。

―午前6時40分 いかりの湖―

 ヤナギは毎朝いかりの湖で行水をしている。

「うむ、着実に春になっておるな。日を追うごとに水も温かくなっとるの」

 着替えながらそんなことをヤナギは言う。
 傘寿を迎えたというのに、体はすこぶる丈夫である。

「ヤナギさーん! 今日も精が出ますねぇ!」

 少し離れにいた漁師が大声でヤナギに呼びかける。

「何、ただの日課じゃよ」

 ヤナギは快活な声で猟師に答えた。

「今日も活きのいい魚が獲れたんですよ! 朝ごはん食べていきますー?」

 クーラーボックスを持ち上げながら漁師は言った。

「うむ。では、馳走になろうかの」

 ヤナギはその強さと人徳でチョウジ一帯の人々に好かれているのだ。いわば長老の立ち位置である。
 そうこうしていると、列車から降りたレッドとエリカがヤナギを見つけた。

「あ、ヤナギさん!」
「?、おーエリカ女史ではないか。という事は」
「俺もいますよ」
「おー、これはこれは良い夫婦が来たもんだ! 一緒に朝ごはん食べて行かないですかー?」

 漁師は二人を見て気分を高揚させたのか声を更に張り上げて2人を朝ごはんに誘う。なんとも太っ腹な漁師で
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