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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第五話 茜の空
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ネ迷物、アカネのえんえん泣き。
アカネは対戦に負けると泣いてしまう。泣きやむまでバッジを貰う事はできないのだ。そしてその時間はアカネの気分次第。
「はぁ、やれやれ……」
レッドは帽子を目深に被り、エリカも静かにアカネが泣き止むのを待つ。
―10分後―
漸くアカネが泣き止み、すっきりした表情で立ち上がる。
「ふう! 二人はホンマに強いんやね! ほなレギュラーバッジやで! これが欲しかったんやろ!」
「やっと機嫌直った……僕からもインセクトバッジをお渡しします」
レッドとエリカは2つのバッジを手に入れる。
「有難うございます!」
エリカは深々と頭を下げる。
「いやいやお二人とも中々の手前で……少なくともキキョウのあれよりは全然……ね」
「もうそれおやめになられませんこと?」
エリカは少しだけ笑みを浮かべながらレッドに自制を促す。
「キキョウって、あの鳥バカがジムリーダーのとこやっけ?」
アカネはわざととぼけた風だ。
「ハヤトさんですよ。名前くらい覚えましょ?」
「言われんでも知っとるわ! うちあの人好きやないし」
「あらそうなのですか……。しかしあの人、変わった感じがしましたよ」
エリカの発言に、同業者二人は少しばかり、社交辞令という側面もあるかもしれないが一応の興味を示す。
「何か…マダツボミの塔で何かあったのでしょう。私たちと戦って何かしらの変化があったようですわ」
「へー、そうなんだ。今度会ったらよく観察してみよう……」
と、ツクシは観察日記と思しき手帳に書き込んでいた。
一方のアカネは全くの無関心だったかのように次に話を進める。
「それはそうと、あんたらこれからどないするん?」
「勿論、エンジュシティに観こ……ジムに挑戦するつもりですわ」
エリカは最早エンジュに心を奪われている。早速本音が出てしまっている。
「そかそか。うちもエンジュ大にオリエンテーション受けにいかなあかんし、一緒にいかへん?」
「いいですね! 私も久々にアカネさんとお話ししたいですし」
完全に華の世界になっている一方、レッドが申し訳なさそうに言った。
「もしもし?」
「うん? なんやねん?」
アカネは邪魔されて少々不機嫌そうに答える。
「男俺一人になって気まずいんだけど……」
レッドはもう慣れてきたため、大して臆さずに言った。
「それもそうやろなー……。ツクシ、お前も行くねんな?」
アカネはツクシに尋ねる。
「いや僕は残って勉強した」
「お前なーそんな勉強ばかりしとると体壊すで? たまには息抜きも必要やねんで。疲れが顔にでとるよ。ツクシの好きな自然公園まででもええし……な?」
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