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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第五話 茜の空
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 コガネシティは遠くからでも分かるほど高層ビルが林立している。
 タマムシの整然とした雰囲気ともまた違い、この都市はどこか猥雑な雰囲気を醸し出していた。

「ここがコガネか、噂通り大きな都市だなぁ」

 田舎育ちなレッドにとって、このような大都市は毎回圧巻されるものである。

「タマムシには負けますがね……」

 エリカはぽつりと呟く。出身地の、ましてやヤマブキと連なる首都の威厳はやはり崩せないようである。
 それを聞きつけたのか将に地獄耳とも言うべき、桃色の二つに縛った髪をした一人の少女が駆け寄ってきた。

「あんた今コガネをバカにしたんか! タマムシなんて……」

 少女は近寄って初めて気が付いたのか、口撃を止める。

「あら。お久しぶりです。アカネさん」

 エリカは帽子を取って深々とお辞儀をする。ジムに行くまでも無かった。

「ひ、久しぶりやな!」

 アカネは同業者に礼を失した行いをしたのを恥じたのか、相手がエリカだからか定かでないが少したじろぎながら言う。

 レッドはアカネの豊満な躰を見て、相も変わらず不埒な事を考えていた。
 アカネとエリカが他愛もないしていると、程なく紫髪の少年がやってきた。如何にもボーイスカウト風である。

「アカネさーん、急にどうしたの……って、レッドさんにエリカさん!?」

 その少年は大いに驚いている様子だ。トレーナーの歩き方の限りだと彼はツクシという人だとレッドは思い出した。
 その本のコラムの欄に書かれていた『勘違いされて同性より声を掛けられた事は数知れず。それもあってか彼は虫捕り以外でもあのキャンプボーイ風の格好をしている』という記述も納得な程に彼は典型的な優男である。

「せや、本当にこのコガネにも来たんやね……」

 アカネは感心しているような目線を投げかける。

「どうして二人とも一緒に……?」

 エリカが尋ねる。

「同じ高校の同じ学年、同じクラスなんです」

 ツクシに続いてアカネが言う。

「そ、どーも馬が合ってよく一緒におんねん」

 アカネは胸の下で腕を組みながら言っている。

「尤も、アカネさんはとっくの昔に推薦でエンジュ大に決まってて僕は一般で理学・工学部に受かったんですがやっぱりどうしても虫に関して研究したくて蹴っちゃったんです」

 ガンテツの話通りである。それを全国の浪人生に言ったらどうなるだろうか、などとレッドは思っていると、アカネが口を出した。

「ツクシは背伸びし過ぎたんよ、そんなわざわざ飛び級せんでゆっくりやればええものを……ホンマ、難儀な子やね」

 アカネは親友と距離が開いてしまうのが寂しいのか、少しトーンを下げて言った。

「僕にはあと2回留年するチャ
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