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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第五話 茜の空
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「ハァ……これで分かったやろ? ウチの気持ち。ウチは……ウチはツクシの事、好きなんや!」

 数十秒の接吻の後、アカネは遂に告白した。

「あ……ぅ……。ゴ、ゴメンなさい……僕やっぱり虫以外には……興味がいかないっていうか、その、今はそれ以外に気を割けないないんです。いや、でも信じてください! 決してアカネさんが嫌いだからとかそう言うんじゃなくって」

 ツクシは答えに至るまで多少の迷いはあったものの、アカネにとって芳しくない。例え口付けをされてもその態度を貫いたのは見事とも言える。

「分かっとるって! 別にツクシがウチの気持ち受け取れへんでもええ!、でもなウチ、エリカに言われて目、覚めたわ! やっぱ自分に正直になって、気持ちを伝える事が大事なんや!」
「……」
「やから、ウチはツクシに気持ちを伝えてスッキリしたんやで! 別に返してくれへんでもウチはそれだけで満足や! ファーストキスの相手がツクシなら言う事もあらへんぐらい満足なんやで!」

 アカネは立て板に水の如く、ツクシに自らの感情を伝える。

「アカネさん…成長しましたね」

 エリカはアカネとツクシがいる所より20メートルぐらい後方から見守る。

「せやから、ツクシも自分の気持ちに正直なって自分の進みたい方向決めるんやね! ウチはツクシがどんな方向に進んでも応援するで!」

 アカネは最後、爽やかにはにかんだ。

「ありがとう……アカネさん!」

 こうしてツクシはアカネを背にしてゲートを出た。アカネは掌を広げてにこやかに送り出した。
 そして―――

「後悔せんなよ……ツクシィ……! エグッ……」

 アカネはツクシが出た直後、地面にしゃがみ大泣きする。

「なんだか、ジム戦の時の涙とは違うな」

 レッドはいつの間にかエリカの後ろにいた。

「あら、来ておられたのですか。……確かにそうかもしれないですわね」

 エリカはそういうと少し微笑んだ。

―20分後―

「アカネさーん」

 エリカは優しい声でアカネを呼ぶ。

「あ…エリカ」

 アカネは涙で腫れた涙袋を手で拭って、立ち上がった。
 
「そろそろ行きませんか? もうすぐ日が暮れてしまいますわ」
「あー……せやな! 行こ行こ!」

 そう言うとアカネは二人の所に駆け寄る。彼女は最早、ツクシの事など忘れ去ったかのようにすっきりとした表情である。

「はぁ。良かったアカネさん立ち直ったみた……いいいい!」
「調子に乗った口を利くんやない!」

 アカネはレッドの頬をつねる。

「レッド! アンタはウチより年下や! 生意気に上から目線で語るんやないで!」
「ふぁい」

 レッドはつねられながら答える。

「よし。ほな
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