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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第五話 茜の空
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クシの肩に手を置いて呼び止め、そうしようと促すが
「いや、もともと無理やり連れてこられたんで。さようなら!」
ツクシはそう言うと、レッドの制止を振り切り、否応無しに立ち去る。
「おいツク…なんて逃げ足の早い奴。体まで虫になってんのかよ……」
レッドはそう呟いて、合流を果たす為に公園の中心部に戻っていく。
―自然公園 奥噴水前―
エリカとアカネは先ほどから座っていた場所より動かずに居る。
「あら?あれって……ツクシさん?」
すると、エリカの目には噴水の水越しに出口に向かって走るツクシの姿が映った。
「ッ…」
「何だか分かりませんけど、行ってあげたほうが宜しいのではないですか?ご学友なのでしょう?」
そうエリカが言うと、今まで黙していたアカネは元の元気な声を出した。
「そんなん……、エリカに言われる間でも無いわ! ツクシィーーー!!」
こうしてアカネはツクシの後を追っていった。
―午後4時 自然公園 入口付近―
「ツクシ!」
アカネは息を切らせながらもなんとかツクシに追いつく。
辺りはもう夕焼けに染まっている。
ツクシは声に気付いてアカネの方を向く。
「?、アカネさん! どうしたんですか?」
ツクシは汗だらけのアカネを見て、気にかけている。
「そらこっちのセリフや! どないしたんや? そんな急いで」
アカネがそう尋ねると、ツクシは珍しくぶっきらぼうに
「……。アカネさんには関係ないよ!」
「何言うてんねん! ウチら親友やろ!?」
「それでも関係ないものは関係ないよ!」
ツクシは反抗的な態度である。一刻も早く故郷に帰りたがっているのに足止めをされているのだ。
当然といえば当然である。
「いいやある! ウチはツクシの先輩や! 後輩が先輩に悩み事相談するのは世界のジョーシキ言うもんやで!」
「……。それなら言いますけど、僕ウツギ博士の研究所の研究員に誘われたんです」
ツクシは埒が明かないと見たのか、先ほどの内容を話した。
「すごいやん! それで?」
「相談する為にヒワダに戻るんです! これでいい」
ツクシが言い切ろうとしたが、アカネが遮る。
「なら……なら、ウチも行く!」
「意味が分からないです! どうして先輩が後輩の後をついていくんですか!」
ツクシはもう憔悴しているのか、苛立ち気味である。
「くぅ……しゃーないな。ほな……、分からしたる!」
アカネはツクシの唇に唇を重ねる。しかも身をツクシに委ね、ツクシの肩に手を回し、きつく、きつく抱きしめながら。
「!?」
夕焼けを背景にしたその二人の姿はまさに美しいと言うほかにない。
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