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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第五話 茜の空
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633点で合格ラインには入っていたんだよ」
「そうだったんですか!?」

 ツクシは目を丸くして、おどけたような声で言った。

「じゃあどうして落としたのです?」

 レッドは横槍を入れる。

「ま、それは後で、驚くべきは生物は前代未聞の100点満点でこれにはビックリしたね。流石だと思った」
「尚更不可解ですね」

 ウツギはレッドの横槍に対し、適当に相槌を打ちながら続ける。

「そうだよねー。だから僕は学長と試験委員長、人事課長全員に掛け合って合格させろと三時間ぐらい直談判したけどね。ダメだった。一度決定したことは覆せないってね。流石お役所だよ」
「博士……」

 ツクシは博士に対し、感謝の念に満ちたまなざしを向けている。

「力不足で申し訳ない。そこでだ」

 ウツギはツクシに浅く礼をした後、本題に入る。

「君を僕の研究所の研究員として雇ってあげたいんだけど……どう?」

「え……、ほ、本当ですか!?」

 ツクシはウツギの提案に目を点にして応じて見せた。

「男に二言は無い。給料はもちろん出すし、住む所だって用意する。どうだい? 虫ポケモンの博士になりたいと願う君には持ってこいの話だと思うんだけど……」

 ツクシは5分ほど考えた後、

「願っても無いお話ですが……。ジム等色々な事を考えるとすぐには……」
「そうか。ま、そんなすぐには決められないよね。いつでもいいから、決心ついたら研究所まで一本電話入れてくれよ。それじゃ……」

 こうしてウツギは去っていく。
 レッドは図鑑の事について聞こうかとも思ったが、とてもそんな雰囲気ではなかった為今回は諦める。

「……憧れていたエンジュ大がそんな所だったなんて。僕、もうどうしたらいいんですか? レッドさん!!」

 ツクシは今までやってきた事がなんだったのか分からなくなったのか、レッドに感情をぶつける。

「うーん……、よく考えなさいな」

 レッドからすればあまりにも次元が違う話なので、それ以上の返答はしない……いやできなかった。

「ゴメンなさい。僕、今すぐヒワダに戻ります」
「え」
「僕、自分を見つめ直す機会が来たようです。ヒワダに戻ってガンテツさんと話合ってみます」
「そうか。まぁそれも大事だよ。俺も三年間シロガネに篭らなければ、自分とは何か分からなかっただろうし。行かなかったら少なくとも絆も深まらなかったろうな」

 レッドにはそれ以外にかけられる言葉が思いつかなかった。

「一旦コガネに戻って身辺整理をするので……。エリカさん…そしてアカネさんにも宜しくお願いします」

 ツクシはそう言うと、深々とお辞儀をして、立ち去ろうとする。

「おい!直接言いにいけよ」

 レッドはツ
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