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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第四話 氷鳥と黒白の衣
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存外長く、一週間ほどかかってキキョウシティに到着。
何度か寝起きを共にしているうちにレッドの中から気まずさは消えつつあった。
―キキョウシティ
格式高く、侘びを基調とした建物や文化財が立ち並んでいる。
最たるものは北側の世界最古の木造建築物と名高いマダツボミの塔であり、トレーナーの鍛錬の場となっている。トレーナーズスクールもあり、初心者にも好まれる街である。
一軒家がおおく落ち着いた街の印象を受ける。
―2月25日 午後1時 キキョウシティ マダツボミの塔―
キキョウ第一の文化遺産であるマダツボミの塔。
エリカ曰く塔の最上階まで上がって長老に会い、技マシンを貰う事がここに寄ったトレーナーの一種の風習という事だ。
という訳で二人はキキョウシティに着いた後、マダツボミの塔に向かい、足を踏み入れた。
「ハァ……、エンジュでの仏閣も素晴らしかったですが、やはり1000年以上もの間、歴史を私たちに伝え続けるマダツボミの塔……。格が違いますわね」
彼女は入る前から塔そのものに恍惚としていたが、入るとその度合いは増し、胸の前に手を組んで畏敬の念をこめたような息を深くついている。
うっとりとしている彼女に心を時めかせ、一方キキョウでこれならエンジュに着いたらどうなってしまうのだろうと懸念を抱きつつ、レッドはあるものに注目する。
「なんであの柱動いてるの?」
レッドは真ん中の動く柱について質問した。
「あれは巨大なマダツボミが動かしているとこの塔の御方は言っておられますが……」
とエリカが続けて注釈しようとすると、二人の若い僧侶が横に入ってきた。
「その通り!この何世紀にも渡ってマダツボミ様が柱を動かしておられるのだ!」
「うわっ、なんだなんだ」
レッドは突如入ってきた横槍に目を瞬かせる。
「それにケチをつける衆生は如何なる者でも押さえつけてくれよう!」
若い僧侶は演技がかったような声で言って見せる。
「……とまあ熱心な門徒の方々がいらっしゃるので謎のままなのですよ」
とエリカは繋げた。僧侶に関しては呆れているというよりも流している印象を受ける。
「フハハハハ!熱心な門徒か!」
「バカ!今のは皮肉に決まってんだろが!」
そんな茶番を見たエリカは何を思ったか
「……、ではお聞きいたしますが、巨大なマダツボミがどうして幾多の地震にも耐え現在まで残り続ける事が出来るのか合理的かつ科学的な根拠をお聞かせ願えないでしょうか?」
と、彼女はいたずらっぽい雰囲気の声で質問した。
「……、我らがマダツボミ様の法力を疑うとは許さん!行くぞチンネン!この不届きな衆生を成敗してくれよう!」
「……出家する前から思っていたが、
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