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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第四話 氷鳥と黒白の衣
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アラシが電光石火を覚えるかな……」
草むらを抜けて10匹ほど倒した彼はそう呟く。
「あら、お早いですこと」
「そっちは?」
二人は最初は交代交代で倒していたが億劫になって来たため、草むらごとで一旦分かれて抜けながら倒していくという方式で進んでいる。
「早々にギガドレインとどくどくを技マシンで覚えさせましたが、レディバやイトマルばかりが出てきて苦戦していますわ……」
「うわ悲惨だな……。傷薬多めに渡しておこうか?」
レッドはリュックより20個ほど買い込んできた傷薬を見せる。
「お気遣い有難うございます。いつ切れるか分からないものですしね……」
エリカは笑みを浮かべ、軽く頭を下げて受け取る。
「いいっていいって、それじゃ先に……」
内心ちょっとした幸せを感じながら言っていると、短パン小僧が前に出ている。
「トレーナーだな! 俺と勝負しようぜ!」
少年は勇気凛々な様子で勝負を仕掛けてきた。
「おう! 行け、ヒノアラシ!」
レッドはすぐさまスイッチを切り替えて戦闘モードに入ってしまう。
彼女の方はといえば初めて見る道路での対戦なのか少しばかり戸惑いを見せている。
――――
勝負は10分も経たないうちに決する。レベル差のあるポケモンだった為仕方の無い事ではある。
「正直俺も大人げ無いとは思うが……。ルールだし悪く思うなよ」
「うう……、次は絶対勝ってやる!」
少年は光を失わずにリベンジを祈願している。
「次……か。あるといいな。よし行くぞ、エリカ」
少年はその言葉に目を白黒にする。彼女の方はさしったりな表情をしている。
先に進もうとすると少年が呼び止める。
「あの! もしかして二人……いやお二人って」
「お二人? 何で急に改まって……あ」
レッドは今になって自らのやった失態を悔いる。
「やっぱりそうだったんだ……。レッドさん俺、レッドさんの事すげえって思ってて、あのその……握手してください!」
周りにいたトレーナーたちも気づいて二人の元に駆け寄る。
こうして数十分ほど時間を取られて二人は先に進んだ。
「全く、不注意にも程がありますわね……」
エリカは機嫌を損ねるというよりも呆れている様子だ。
「ごめんよエリカ。にしても伝わるの早いよな……」
「風の噂とは恐ろしいものですからね……。本当に風が吹き抜けるかのように俗耳に入ってしまうのですから」
レッドは聞きなれない単語を耳にしたが、話の流れからそれに類するものだろうと判断し気にしないことにした。
「うん、気を付けるよ。それじゃあ先進もうか」
という訳で二人は道路を更に進んでいった。
二つの道路は
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