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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第四話 氷鳥と黒白の衣
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ろではない、熟柿は落ちたとばかりにレッドはエリカに尋ねる。
「エ、エリカさ」
「はい」
「エリカは俺の事……、す、好きなんだよな?」
「な、何を急にお尋ねに……」
エリカは顔を赤くしながら下を向く。その愛おしい動静にレッドの性欲は亢進するばかりだ。
「答えてくれ」
レッドは立ち上がり、エリカの正面に立ち、緊迫感を多分に漂わせながら尋ねる。
「も……勿論ですわ」
エリカは勇気を振り絞ったかのように言う。やはりまだ相当、好きという感情を曝け出すことに抵抗がある様子だ。
「だったら……」
レッドは一歩ほど前進し、彼女の湯気と血潮で火照った顔に近づく。
「あ……」
エリカはレッドの急な迫りに戸惑っている。
「抵抗しないって事は……いいんだな」
と言いながら、レッドは唇を近づける。
「やめて……」
エリカは蚊の消え入るような小さな声で言う。
レッドは聞こえないのか否か、無視して更に近づける。
「やめてくださいっ!!」
エリカは聞いたことが無いほど大きな声でレッドの求めを拒絶した。
それと同時に彼女は数歩ほど後ろに下がる。その上、眼は潤んでいる。
レッドは当然の事、途中から動静を伺っていた二匹も大いに驚いている。
「エ……エリカ?」
「私……。そう簡単に殿方に体を許してはいけない……そう教えられていますから」
「何でだよ……。エリカは俺の事好きなんだろ……。だったら!」
レッドはそう言って進めようとしたが、エリカは頑なであった。
「私のお祖母様は仔細は教えて頂けませんでしたが、成り行きとはいえ体を許してしまい、お母様を生まれた際に大いに揉めたことがあったそうです……。『結婚の際、私と同じ轍を踏まない事。しっかりと見定め、相応と思った男とのみ結ばれなさい』これがお祖母様の遺訓ですわ。ですから、いくら貴方とはいえ、まだ私たちは4日程歩みを共にしたのみ……。お互いの事を知り尽くしてはいないのに、体を許すわけには参りませんわ」
彼はしばらく黙った後
「そうかよ……。分かった」
と言って彼は二匹をモンスターボールに戻し、不貞寝するかのように横になった。
「ごめんなさい……貴方」
彼女も就寝準備をした後、向かいのベッドで電気を消して眠りにつく。
部屋は、闇に包まれる。
―2月16日 午後3時 オーキドポケモン研究所―
時は戻って、昼がた、ワタルはミカンの密告を受けた後、大変な剣幕でオーキドのもとへ向かった。
「どういうおつもりですか! 命令を改ざんした上、レッド君やエリカ君、ゴールド君にポケモンとの絆を引き裂くようなことをして!」
「いやーす
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