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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第四話 氷鳥と黒白の衣
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び戻し、オダマキ博士にも連絡して元の指示通りにするよう要請します」
オーキドやウツギなどの研究者が所属するポケモン研究会はポケモンリーグとの関係が良い。
その会長であるオーキドは理事長との直通回線であるホットラインを持っているのだ。そしてウツギの鬼気迫った懇願を聞いたオーキドは、数秒ほど黙った後、
「ホッホッホ……。脱兎のウツギなどと嘲弄されるほどいざという時臆病じゃった君が、そこまで言うようになるとはのう……。博士になって大分肝が据わるようになったかの」
「御世辞は結構ですから連絡を……」
「ならぬ。このホットラインは些細な事に使ってはならぬ決まりじゃ。大事な取り決めならばともかく、重役でもない若輩の君にこのような用事にこれを使わせるわけにはいかん」
「リーグで取り決められた事を尋ねるのを些細と申されるのですか?」
ウツギの追及に対し、博士は平然とした声で答える。
「ならば訊こう。ウツギ君は既に決められたことを何度でも決めた者に尋ねるのかね?」
「納得できるまでは聞きますよ」
その返答にオーキドは陥穽にかかったとばかりに返す。
「鈍いのう。時はそこまで待ってはくれぬ。世界は君の母親でも教師にも非ず! 博士であると自認するのなら、最後は自分の頭で考え行動するものじゃ」
「っ……、話を逸らさないで」
論点がずらされていることを悟ったウツギは反論を試みるが全て言い終わる前に
「まあウツギ君がそこまで言うのなら、無理にとは言わん。じゃあの」
と、糸を切るかのようにオーキドは電話を切った。
「教授! ……、切れてるし。ハァ、もう訳が分からん」
ウツギは脱力したかのように椅子に座り、意味もなく座ったまま一回転した後、研究所の天井を見つめこの後の事を案じるのであった。
――――――
あれから二人は野生のポケモンと戦いながら道路を進み、野宿と移動を繰り返して17日にヨシノシティに着く。
―2月17日 ヨシノシティ ポケモンセンター 宿泊所 13号室―
ポケモンセンターの宿泊施設はいわばトレーナーの羽休めの場所である。
二人の入った部屋は、一番奥に二つのベッド。その前には木の机に椅子が二つ、化粧台にテレビ、ユニットバスと必要最低限なものが揃ったところであった。
「あーやっと着いたか」
レッドは着くや否やベッドに倒れこむ。
備え付けの時計は18時を回っている。冬であるせいか窓の外は夜の帳を降ろしており、街の明かりが見えていた。
「貴方。だらしがありませんわよ……とはいっても私も疲れましたわ。何しろここまで歩くことなど無かったものですから」
と言いながら、エリカは向かいのベッドに腰掛ける。
「お嬢様だなあ……
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