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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第三話 新天地ジョウト
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。裏になっていた為、更に表紙を見てみるとなんとも扇情的なサーナイトが描かれている。
 博士も男なんだとレッドが内心共鳴を覚えていると、横から白衣を着た助手と思しき男がやってきた。

「レッドさん。それは博士の愛本ですよ。サーナイトというポケモンを」

 助手は吹聴屋な性格なのか、それとも博士に恨みでも持っているのかは定かでないが、レッドに話しかけて博士の秘密を暴露しようとした。
 が、ウツギは鋭い。異変に気がついたのか、TEMの元を離れいつの間にかレッドの背後に立ち、

「柏木君?何してるのかなぁ?」

 と、言外におぞましい雰囲気を漂わし、薄ら寒くなる程の優しい声で言う。

「!、さーてポッポの進化の際におけるデオキシリボ核酸の情報の変化はーっと……」

 柏木は話題を逸らそうとする。
 雰囲気からしていつもはこれでなんとかなっているようだ。しかし、運が悪い事に今回はエリカがいて、

「あら、それはC塩基の情報が……で、……でと言う風に変化するんですよね」
「何この子怖い。完璧すぎる」

 柏木はエリカの簡潔かつ要領を得た説明に(おのの)いていた。
「知らないの?この子タマムシ大の主席だよ」

 ウツギはさらっとざまあみろとばかりに嘲りの感情を満杯にしながら、柏木に告げる。

「すんませんしたーっ!!」

 柏木は博士とエリカに対し深々と平謝りした。

「さて、お馬鹿な助手は放っておいて奥行こうか……っておい! そこの赤帽野郎! 読んでんじゃねぇぞ!! つーか、汚い手で触んじゃねえ!」

 ウツギは激怒した。それも、普段の温厚な表情とは正反対で、ロケット団でも裸足で逃げ出すぐらいの恐ろしい形相である。

「すすすすすすす、すみませんでした」

 レッドが本棚に戻すと、膨らんだ風船が萎むかのように、ウツギは元の温和な表情に戻る。

「じゃ行こうか、レッド君」

 あまりの感情の起伏に、レッドはウツギは二重人格ではないかと密かに疑いをかけるのであった。
 研究所の奥にたどり着くと、ウツギは嬉しそうな表情をしながら、

「さーて、このセリフを言うのもゴールド君以来だなー。そこに三個のモンスターボールがあるだろう? 好きなの持っておいで!」

 二人はテーブルに向かう。
 
「マシンの右からワニノコ、ヒノアラシ、チコリータというポケモンだよ!」
「やっぱり多少苦戦すると分かっていても草への執着は捨てられないですわね。チコリータで!」
「俺は名前がレッドだし……、ここは炎でヒノアラシにしよう!」

 レッドは単純明快な理由で決めるに至った。

「決まったね。それじゃあポケモンじいさんの所に……って違う違う気を付けて行ってらっしゃい!」

 ウツギはついほか
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