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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第三話 新天地ジョウト
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散歩でもしていたのか、ミカンに居合わせる。
 浅葱色のワンピースを着ており、中央の赤いリボンがなんとも特徴的である。

「! エリカさん! あと、レッドさんにウツギ博士……?」

 あまり考えられない組み合わせに当惑気味のミカンである。

「ミカンさんじゃない! ご無沙汰してますわね」

 エリカは友人との再開に笑みをこぼした。

「この人がジムリーダーのミカンって人?」
「そうですよ。私のお友達です」

 エリカは普段より少しだけ声調を上げている。感情が高揚しているようだ。

「レッドさん、初めまして。私がこの街のジムリーダーをしています。あの、挑戦……ですか?」

お辞儀をした後、挑戦の有無を尋ねてくる。

「いや、ミカンさん。(かくかくしかじか)こういうことでね。今は挑めないんだ」

 ウツギはミカンに簡潔に説明した。
 聞いた後、ミカンは肩を落としながら

「そうですか……。せっかくいの一番で挑もうと思ったのに残念です。少々腑に落ちませんけどね」

 と元気なさげな声で言う。

「この街にはいずれよるからその時にはお手合わせ願いますね」
「はい! 勿論です」

 レッドの受け答えにミカンは少し元気を取り戻したようだ。

「さて、行こうか」

 ウツギはあまり時間を取られたくないのか、二人を急かす。

「せっかく久々に会えたのにすぐに別れるなんて…ミカンちゃん、また会いましょう」

 エリカはミカンとの別れを惜しみ、二人はウツギのヨルノズクに乗っていった。

―ワカバタウン―

山紫水明で、萌芽を予感させる町である。
風力発電所があったりなかなかにエコな町という側面がある。
ゴールドやコトネ、ウツギの家、そしてウツギ研究所がある。
そして東の海を行くと28番道路へと出て、カントーへの道しるべがあり、かつては港まであったという。

「戻れ!ズック!」

 何とも安易なネーミングだとレッドは思った。

「さてと、ここがワカバタウンだよ。何もないとこだけど空気がおいしいでしょ?」

 エリカはカリカリと自前のメモ帳に周囲の木々のスケッチを取って自分の世界に浸る。
 レッドが覗き見てみると、なんとも画家的な上手さであった。
 覗き見たすぐ後に、レッドは溜息をつきながら

「エリカ、お前は変わらないな……」
「ハハハ、きっとこの子はウバメの森あたりではもっと没頭してるだろうね。あそこは草木が沢山あるし……」

 ウツギがそんな事を言っていると、エリカは我に返って

「はい? ああごめんなさい!木とか花を見るとどうしても観察したくなる性分な故……」
「いやいや、素晴らしいよ。流石あのタマムシ大の首席だね。リーダーじゃなかったらヘッドハン
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