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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第三話 新天地ジョウト
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ったので、彼はそう疑問を持つ。

「いえ。面識はありませんけど、単に知っていましたので」

 彼女は首を振りつつ返答した。

「ふーん……。見たところ、結構なお偉いさんっぽいけど、どんな人なの?」
「シンオウ地方のチャンピオンですわ。ポストワタルの声も聞こえるほどのやり手らしいですよ。働く女性の(かがみ)みたいな人です」

 彼は彼女の答えに対し

「チャンピオンということは俺もいつか刃を交える日が来るのか…胸が熱くなる! それはそうとまだ寝てていいぞ、到着までまだ2時間あるし」

 その時、インターホンが鳴り響いた。

「あら、こんな時間にどなたでしょう……。私が出ます」

 エリカは応対の為髪型を整えた後、ベットから立ち上がり玄関に向かう。
 彼女がドアを開けると十人ぐらいの少女が立っていた。

「どちら様でしょうか?」

 尋ねると、少女たちは快活な声を以て返答した。

「私たちはジョウトのキキョウガールスカウトです! あの、レッドさんにの為に皆で作ったバレンタインデーのチョコレートです!」

 と言って、少女らは水玉模様の包装紙に加え、赤を基調とした白の縦線も端にあるリボンが掛かった装飾の立方体の箱をエリカに手渡した。
 彼女は顎に手を遣って、僅かばかりの間を作った後

「そういえば本日は2月14日ですわね」

 エリカは思い出したかのように言った。起きたばかりであまり頭が回っていなかった様子である。

「はい!だからです」
「そう、わざわざありがとうございます」

 エリカは笑みを作って、軽くお辞儀をした。

「いえいえ。とんでもないです」

 リーダーと思しき先頭に立っている少女は、首を軽く横に振りながら答えた。処世術も身に着け始めているのだろうか。

「到着まであと一時間ばかりですわね。あなたがたも帰った方が宜しいのでは?」
「あ……そういえばそうですね。お気遣いありがとうございます! エリカさんも頑張ってくださいね! それでは」

 ガールスカウト達は少し慌てた調子で帰っていった。

「バレンタインデー。ですか……」

 エリカは少女たちが十二分に離れた後、何かを含んだ調子で呟やく。ドアを閉めレッドのところに向かう。
 部屋に戻ると、レッドは早速彼女に尋ねる。

「誰だった? なんか声の調子から女の子っぽかったけど……」

 レッドは少しばかり当を得ない様子である。

「キキョウガールスカウトらしいですよ。バレンタインデーのチョコをレッドさんにですって」

 それを聞くと、彼は目を丸くして

「そんな日だったのか! すっかり忘れてたなぁそんな事」

 驚きもしたが、それ以上にレッド当人にとってはチョコを貰うのは小学
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