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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第二話 それぞれの別れ、そして出港
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「は、はい。では、ワタルさん、ナツキさんの事、宜しく頼みますわね。それでは、ごきげんよう」

 と言って二人とも船にへと向かっていく。

「ふう……行っちゃったか……」
「HAHAHA! やはりミーの見立て通りだネー! ミセスエリカが居ないとチェリーは何も……」

 マチスの嘲りは頂点に達し、とうとうチェリーなどというあだ名までつけている。どうみても上司に対する態度ではない。

「マチス君、確か君のジム、仕掛けの調子が悪いとか言ってたよね」

 ワタルはマントを閉じながら尋ねる。

「Huh?」
「予算の都合つけてあげるよ。どのくらい都合つければいいか見てあげるから、ジムまで案内してくれるかい?」

 ワタルは乾いた目をしながらマチスに問いかける。

「Oh! これは願ってもない話だネー! イイヨ! ついてコイ!」

 と言って、マチスはワタルに背を向けジムにへと向かった。

 
 
―アクア号―

 アクア号に乗船すると二人は大仰なまでに歓迎を受ける。

「おお!お待ちしておりました!!、こちらへどうぞ!!」
「なんだこのレッドカーペット……」

 レッドが戸惑っていると、エリカは冷静な声で、

「この絨毯は……イラン産ですわね」

 と即答した。

「さ……流石」
「ふふっ、こう見えても私、飛び級で大学卒業したんですよ? 16歳で」

 エリカはさらりととんでもない事を言った。
 この世界で大学を出るというのはエリート中のエリートの証だからだ。しかもふつうは22歳で卒業するのに16歳という事はとんでもない飛び級をしたという事の証左でもある。
 それに比べてレッドはマサラ小卒と、エリカに比べたら月とすっぽんどころか内核と宇宙空間ぐらいの差がある。レッドは肩を落とした。

「そんなにしょげないでくださいよ、貴方にはポケモンがあるではないですか」

 エリカは肩を叩いて励ます。レッドはそんなエリカの健気さにまた惚れるのだった。

「にしても何でお前、ワタルさんにマチスさんを褒めろなんて……」
「あれは、ワタルさんが真に私だけでなく他の方まで見ていらっしゃったか試したのですわ」
「なるほど……それで?」
「理事長のお仕事はきちんと為されているのだなと思いましたわ」

 エリカは何かを含んでいるかのような声調で言う。

「そ……、そうか」

 そうこうしながら二人は客室に向かうために上に向かう。

―最上階 スイートルーム―

 レッドが客室に入ってはじめに抱いた感想は、ヘタな一軒家よりも全然広いというものであった。

「ひ……広くてこんな豪華な部屋本当に宜しいのですか!?」

 部屋の内装は、真っ白な壁と床、壁には原寸大のアテナイの
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