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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第二話 それぞれの別れ、そして出港
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かけるぞ?」
と、少々焦り気味に答えている。
「オゥ……。ソーリーソーリ! カマをかけたら、まさか自らホースレッグをショウしてくれるとは思わなかったネー! HAHAHA!」
と言いながら彼はまたも高笑いをしている。謝罪の意は微塵にも見えない。それどころか今度はシニカルめいた笑いも交っているようだ。
ワタルは拳を握り締め、憎悪を明らかにせんとばかりの声を発する。
「そう思うなら、勝手に思ってればいいさ!」
と言って彼は我関せずとばかりにマントを翻して、マチスに背を向ける。
「このガイ。ズボシだからムキになってるヨ……」
彼は両手を横に遣って、やりやれやれとばかりに手を振る。
「ま……まだ言うか!」
ワタルはとうとう堪忍袋の緒が切れたのか、髪の色と合わせた顔色となりマチスを睨み付ける。
が、埒が明かないと思ったのかすぐに二人の方向に顔を向ける。マチスも空気を読んだのか挑発を諦め、ワタルの後ろに控えた。まるでボディーガードである。
「そ、それはともかく、今日は祝いにきたのは勿論の事。それに加えて一つ言い忘れていた事があったから来たんだ」
「言い忘れていた事?」
レッドは復唱して尋ねる。
「うん。カントーに君が一回潰してくれたロケット団が居たように、全国の各地方にも悪の組織が居る。ホウエン地方にはマグマ団とアクア団、シンオウ地方にはギンガ団がそれにあたる。あとこれは未確認情報だけど、イッシュ地方にはプラズマ団という組織が暗躍し始めているらしい。それらには十分、気を付けなよ」
レッドはそれに対し
「はい! もしも出くわしたら俺の力でぶっ潰してみせますよ!」
と大きく意気込んだ。本意でもあったが、エリカが隣に居るから見栄を張ったというのもある。
「おおう、大きく出たね! でも、今の君は一人じゃないよ、エリカ君も居るんだし時には力を貸してもらいなさい」
「まあ。そんな、私に夫を支える力など」
エリカは少しばかり自信なさげに言う。相手が最強の肩書を持っているだけに仕方のない事なのだろう。
「何言ってるんだ。君はジムリーダーだろう? それに君は弱点の多いタイプの割には善戦している方だと思うよ」
「左様でしょうか……」
「ああ左様……そうだよ! 君には居るだけで周りの人を元気させる立派な力がある。それに加え豊富な知識があるじゃないか。あれだけの知力があれば十分……いや十分すぎるくらいレッド君を支えていけるよ」
ワタルは最初はエリカにつられながらも、ニコニコと笑いながらエリカを励ます。
「ワタルさん。そこまで私の事を見ていらしたのですね」
エリカは微笑みながらワタルに語りかける。
一方のワタルは先ほどまでの毅然とし
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