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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第二話 それぞれの別れ、そして出港
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惑っていた。
が、そんなエリカでもすぐに分かってしまう事になる。
『エリカ・レッド様。ご夫妻門出の式』
船と同じぐらい高く、馬鹿でかく横断幕が貼ってある。
「な……何ですかあれは……」
エリカが呆然としていると、迷彩服姿の金髪男が姿を現す。
クチバジムリーダーのマチスである。マチスはエリカを見かけると、すぐに近寄って英語雑じりの片言の日本語で話しかける。
「オーッ、ミセスエリカ!! ユーアーモストビュウティフォアー!!」
マチスはいつもの事であるが、非常に元気の良い様子である。
「マ……マチスさん?」
「ソーです、アイアムマチス。リメンバーしてくれていてミーは嬉しいよHAHAHA!!」
マチスは米国風の高笑いをする。一緒に居るツレと思われる人々もつられる様に笑う。
「はあ……」
そんな彼を困った調子で見ていると、マチスの後ろより赤い髪の男が現れ、エリカに話しかける。
「エリカ君、3日振りだね」
「あの、ワタルさんこれはいったいどういう? しかもなんだか何人か他に居られるのですか……」
エリカはワタルに問いただす。
「あれはマチス君のついてきた元部下らしいね……。いやぁ、なんか僕一言も彼にはこのこと言ってないんだけど何故か漏れててね……」
ワタルはエリカに口が軽いと思われたくないのか、早速嘘をついている。
「ミー壮行会やりたいよ! ミセスエリカの為に! って聞かなくてね。ま、僕も来たかったから来たのさ」
そんな風にワタルが説明すると、レッドがつばに手をやりながら颯爽とばかりに現れる。
「全く、マチスさんは相変わらずだよ。まああれぐらい元気なの俺は好きだけどね」
「貴方ぁ!」
レッドを見つけるや否やひと目も憚らす抱きつく。
「ちょ、エリカ、困るよここでそういうの……」
とはいえ、そう言っているレッドの表情は満更でもなさげである。それに少々下卑た微笑を浮かべ、どこか勝ち誇った様子も見受けられる。
「ご、ゴメンなさい、三日ぶりに会ったので理性が飛んでしまいましたの……」
と、エリカは恥じらいからかすぐさまレッドより離れて、乾いた目でレッドを見つめる。
レッドは今の状況に幸せを実感するのだった。
「フゥーーーー!! ベリーホットだね! HAHAHA!!」
マチスはやはり、大声で話している。
ワタルは迷惑そうな表情をして
「ちょ、マチス君五月蠅いよ静かにしないか……」
ワタルが注意したがマチスは逆上する。
「ナンダヨ!! ユーがシャットアップシロヨ! コノチェリーボーイ」
ワタルは1秒ほど間を作った後
「それ以上下らない事言い続けるなら、理事会議に
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