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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第二話 それぞれの別れ、そして出港
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「なんの用だ」
レッドは無愛想に尋ねる。
「いやー、親友の門出を祝おうと思ってね。エリカさんと仲睦まじくやり給えよ!」
「何で知ってるんだ」
「いや、昨日定例会でジムリーダーとしてリーグ行ったらさ、ワタルさんに会って聞かされた訳さ」
グリーンのその答えで、レッドはそういえばグリーンはトキワのジムリーダーやってたなと思い出す。出世したんだという事を思いつつ、ワタルのお喋り癖に辟易する。
「まぁ仲良くしろよな! あのエリカさんをモノにできたというのは、18股してる俺でも羨ましい限りだぜ」
18股などと憎まれ口を叩いたのでレッドはすぐに
「流石イケメン、死ねよ」
とこちらも憎まれ口で返す。グリーンは快活に笑い、
「ハハ、まあ頑張れや。もし途中で泣いて帰ってきたら、俺が止めを刺してやるよ」
「その前に俺が刺してやるよ」
三年越しとはいえ、二人ともライバルとしての意識は消えないようである。
「相変わらずじゃのう二人は。ん?レッド君、ポケギア持ってるのじゃな!よし、わしの番号を登録しよう。いつでも図鑑を評価できるぞ」
「ついでに俺も」
レッドはポケギアに二人の番号を登録した。
その後、オーキドポケモン研究所を後にする。
あと二日を故郷で過ごし、祝福されたり時にはからかわれながら祝福された。
―2013年2月13日 マサラタウン―
レッドの家の前で主だった人が見送りをしてくれた。
「次はポケモンマスターとしてこの街に帰ってくるよ」
レッドがそう言うと、母親と博士とグリーンは順々に
「無理しないで、困ったらいつでも帰ってらっしゃい」
「己を信じた道を突き進むのじゃ、さすれば光明は自ずと見えてくる」
「ま、性もバトルもバランスを考えろよな……」
こうしてレッドはクチバシティへと向かった。
―2013年2月10日 タマムシシティ ポケモンジム―
一方のエリカはジムを早めに閉めて、トレーナー全員を集めて引継ぎを行っていた。
「当面、ジムリーダーはナツキさんにお任せしますわ。貴女に勝った場合は私にこのポケギアで伝えて下さい、バッジを郵送しますので。挑戦者の方にはご足労をかけてしまいますがそこの所を…お願い致します」
「了解しました。必ずやエリカさんに引けを取らぬ活躍をさせて頂きます!」
ナツキは
眦
(
まなじり
)
を決しながら、胸を張ってそう言った。
「ふふ、期待してますわ」
そう言うとエリカはナツキに向かって微笑んだ。
「私は暫く、レッドさ……夫と共に旅に出ますが。ジムの事よろしくお願いします。あと全ての植木には分かってると思いますが必ず水を、私から見て右側二段のカーネーショ
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