暁 〜小説投稿サイト〜
伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第二話 それぞれの別れ、そして出港
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―同日 午後5時 マサラタウン レッド宅―

 マサラタウンについたレッドは真っ先に自宅のインターホンを押した。
 暫くすると少しだけ老けた感じがするレッドの母親が出てくる。

「はーい。あ、レッドじゃない! お帰りなさい。ワタルさんから電話で話は聞いてるわ。さあ入った入った!」

 こうしてレッドは久々に自宅の玄関に上がる。入ると、懐かしい木の香りや雰囲気が漂う。そんな家の中を見てレッドは帰ってきたことを実感する。
 その後、レッドは母親に会ってリビングにへと通される。暖かい緑茶を出されたので飲み、他愛もない話をする。
 そのうち、ふと母親はういを含んだ表情になり、

「そうよね、もっと遠い所に旅に出るのよね……」

 母は少しだけ寂しそうな目をしている。

「母さんには心配をかけて申し訳ないです」

 レッドは申し訳なく思っているので、改まって敬語で話す。

「何一丁前の事言ってるの! お母さんはもう慣れたから平気よ。それに可愛い子には旅をさせよって言うでしょ。エリカさんと一緒に仲睦まじく言ってらっしゃい!」

 レッドは勝手にエリカと旅することまで話された為、心の中で、ワタルの事をチーター野郎めと毒づく。

「いいわねぇ、年頃の男女二人が仲睦まじく冒険だなんて……お母さん羨ましいなあ。お盛んな年頃だろうけど、避妊だけはしっかりしてよ! 途中で産気づいちゃったら、旅なんか続けられないんだから」
「え、ちょ母さん」

 レッドは母親の唐突な、ませている発言に狼狽した。
 そんな息子などお構いなく、母は立ち上がって物置に行く。
 暫くすると、いつの間に用意していた三年前にはあまり普及していなかった、最新の旅のグッズに加え、お節介にも奥から大量のゴムを持ってくる。

「はい、ランニングシューズとポケギアとスキン3グロス(144*3=442)。これだけじゃ足らないかも知んないけど、ま、あとは自分で何とかしなさいって!」

 レッドは息子だけに洒落にならないな等色々な思惑が頭の中を駆け巡ったが、流されるがままにコンドームを受け取った。母は強しである。
 その後レッドは夕食を済まし、色々済ませた後に寝室にへとあがる。

―午後9時 寝室―

 レッドはピカチュウのみを出して、ベッドに寝そべる。
 まだ寝るには早いので、レッドは天井を見つめる。

「はあ……、あのエリカさんと旅かあ……」

 彼はエリカに初めて会った後に購入した、トレーナー名鑑の中にあるエリカの写真を切り取って胸ポケットに入れていた。
 レッドはその写真をポケットからだしてジッと見つめる。

「教養深く、(しと)やかな女性……か。本当にそんな感じだな」

 彼は名鑑の中にあった文句を思い出し、反芻する
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