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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり
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―某月 某日 シロガネ山―
シロガネ山に入って2年が経過した頃。
レッドは、手持ちを引き連れてシロガネ山を2日ほど修行がてらで探索していた。
彼は2年も山に引きこもり、そろそろ故郷が恋しくなっていた。しかし、石の上にも三年の言葉通り、この山で三年は修行すると決めていた為、気を引き締めようと探索をしていた。
野生のポケモンを適当に倒しながら進んでいくと、どこからともなく窟内を揺るがす咆哮が聞こえた。
「なんだ?」
レッドがまず発言する。
「あまり聞きなれない鳴き声っすねぇ」
リザードンがそう答えた。
「とにかく、先へ進もう」
レッドの指示で、ポケモンたちは聞こえた方向へと向かう。
――――――
咆哮の先へ歩を進めると、洞窟を出る。
すると、平原が姿を現し、砂塵があたりを覆いつくしている。
そして、200mほど離れたもう少し高い場所に咆哮の源と思われる生物が姿を現した。
「あ……あれは」
レッドは、砂嵐に浮かぶシルエットから小さい頃読んでいたポケモン図鑑を思い出す。
数あるポケモンの中でも恐ろしい姿をしており、後ろの角が怖さを増幅させる。
名前を失念していたため、即座にポケモン図鑑にかざすがデータ無しと出た。
「何だと!?」
「俺たちとは全く異種の生き物ってか……?」
そういいながらカメックスは砂嵐の中に居る怪獣に目を向ける。
怪獣は、レッドたちに気づき、一歩ずつ前に出てきた。
「レッドが危ない!」
リザードンがすぐに前に出て、炎を口にためる。
「ここはやったもん勝ちだな……。よし、リザードン! 大文字だっ!」
リザードンは大文字を怪獣にぶつける。しかし、ビクともしていない様子である。
怪獣はレッドたちを敵と見なしたのか、速度をあげて襲い掛かかろうとする。
「全然効かないなんて……。本当に未知の生物なのかよ」
ポケモンたちの顔が青ざめ、レッドが落胆していると、
「ピカ!」
ピカチュウはレッドに話しかける。
レッドが目を合わせるとピカチュウは腰につけているモンスターボールを指差す。
「ん? ……。なるほど。よしっ」
レッドは、ポケットからモンスターボールを取り出し投げつける。
モンスターボールは開き、巨体を一瞬にしてボールの中に収めた。
このボールは一般の生物には反応しない、つまりあの怪獣はポケモンである。
しかし、体力が減っていないため、すぐさま出てしまう。
「ポケモンということはタイプがあるはず……。とにかく攻撃を出せば効く技があるはずだ! ようし、ピカチュウ、雷だ!」
こうしている間にもポケモンは一歩ずつ前に出てくる。
ピカチュ
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