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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり
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は得意になっている様子で、呼び方を変える。

「はい……でなければレッドさん……いえ、貴方の妻として務まりませんわ!」

 こうして二人は夫婦としての自覚を持つのである。しかしエリカの方は”貴方”と呼ぶことに若干の恥じらいがあるようだ。
 そんな初々しさもレッドの心をくすぐる。

「とりあえず、まずは旅の準備だな」
「私も一旦タマムシに戻ってジムの皆さんにしばしの別れを告げて、旅の支度を致します」

 ひとまずやる事を言い終えたので、レッドは次の事をエリカに訊く。

「じゃあ、どこで落ち合う?」
「そうですわね……フリーパスにはクチバと書いてありますので、3日後にクチバ港で会いましょう」

 エリカは至極妥当な提案をする。反対しても仕方のない事なのでレッドは同調した。

「そか、ところでエリカ、飛行ポケモンは?」
「あ、そういえば……貴方に会うことしか考えてなかったものですから……」
「じゃあリザードンを貸すよ」
「え、それでは貴方は……?」

 エリカは不安そうに尋ねた。

「一応、ピジョット二軍で連れてきてるからそれで行くよ」
「成る程、周到ですのね」

 エリカは合点が言った様子で言う。
 こうして、エリカは頂上から、タマムシにへと向かうのだった。

 かくして、四地方を巡る旅に出ることになったレッドとエリカ。
 二人にはいったいどんな試練が待っているのだろうか……。


―第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり 終―

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