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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり
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んですか」
「殿方だけとのお話には入りづらくて……」
エリカは気だるそうに言う。どうにか落ち着いたワタルはエリカに尋ねる。
「そういえばエリカ君、ジムはどうした?」
「トレーナーの方にお任せしております。因みにバッジは郵送しております上に定期的に連絡はしている故御安心を」
彼女は慣れている調子で切り返す。
「そうか、仕事をちゃんとしてるなら、問題は無い。君に任せて正解だった」
ワタルはどうやら、直属の部下相手にはレッドやゴールドに対するよりも偉そうな口調で接するようである。
「はい、当然ですわ」
レッドはこのような業務的な会話をみて内心格好よさを感じていた。
「こんな事もあろうかと、もう一枚買っといて良かったよ……はい、エリカ君」
「え、私まで……本当によろしいのですか!?」
エリカはまさか自分まで貰えるとは予想だにしていなかったのか、目を丸くして驚いている。
「いやー、将来レッド君の妻になる人だから一緒にいなきゃ可哀想に思ってね」
レッドの中でワタルの株は急上昇しているようだ。彼女はといえば、驚いてはいるものの、どこかしら社交辞令な風に見えるのは恐らく気のせいではない。
「つ……妻だなんて……」
エリカは頬を紅潮させる。声もどこかなまめかしさが交る。彼女が普段それ程見せない姿にゴールドとワタルはうつむいて、顔を紅潮させていた。
「俺が夫か……法律上15だから無理だけどいっか」
「ジムは如何すれば」
エリカはついでとばかりにワタルに尋ねる。
「え……あぁ、リーグ法上30日以内に一回ぐらい連絡とったりしていれば問題ないから安心しなさい」
「やった! レッドさんと一緒に居られますわー!」
エリカは上気した余り、レッドの片腕を掴んですり寄る。
「ちょ、エリカさん! みんな見てる前であんまりひっつかないで……」
レッドは勿論、嬉しかったがやはり羞恥心からエリカをやんわりと注意する。
「あ……申し訳ございません」
エリカはうっかりレッドの腕を掴んでしまった、自らをはしたないと思ったのか顔を赤くして、レッドに向かって頭を少し下げて謝る。
「くそ……」
ゴールドとワタルは心底羨ましがっている様子だ。レッドは自然と優越感を覚えたが、表情にはおくびにも出さない。
「じ……じゃあそういうことだからよろしく頼んだよ!」
ワタルは弱ったカイリューの上に乗り、セキエイ高原へと飛び去っていく。
ゴールドはワカバの人たちに報告するために戻るといって立ち去った。
こうして、エリカとレッドが残される。
「エリカさん……いや、エリカ! これから辛い旅になるけどついてきてくれるよな」
レッド
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