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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり
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にはまだまだ若々しさが残り、かつ威厳もうかがえる。
「レッド君! あぁゴールド君もか。丁度いい一つ話がある」
レッドは声にこそ出さなかったが、カイリューを心配する。
「ワタルさん! お久しぶりです」
ゴールドは礼儀正しく、深くお辞儀をした。
「うん、少し前に戦って以来だね」
「あれ、ワタルさんリーグにいたんじゃ……」
レッドは尋ねた。
「少し待ちくたびれたからね。どうせ近所だし早いほうが良いと思って、エリカ君には悪いけど、痺れを切らしちゃったんだ」
ワタルはそうエリカへの後ろめたさを垣間見させる言動をした。
「成るほど。それで用ってなんです?」
レッドが納得するとワタルは話し始めた。
「突然だけど。君たち、ポケモンリーグの公認ジムがいくつあるか知っているかい?」
「えっと……。カントーとジョウトで16じゃないんですか?」
ゴールドが答える。
「違う。君たちは社会科の授業でやってると思うけど、この国にはおおよそ7つの地方がある。そのうち我々が公認を与えている地方は現在のところ、4つだ」
「えっと、つまり32ですかね」
レッドがそう答えた。
「わが国というくくり。つまり僕が統括している範囲でいえば正解。でもそれ以外にも、遠く海を隔てたイッシュ地方という所にも我々と提携を結んでいるリーグがあってね。そこにもまた8つのジムがある。すると全部で40のジム。4つのリーグがあるという事だ」
ワタルは遠まわしな物言いで言ったが、二人はすぐさま言外の意を汲み取った。
「もしかして……」
ゴールドが言いかけたそのとき、ワタルは言う。
「そうだ。君たちにはイッシュ、ホウエン、シンオウ、ジョウト、そしてカントーのジムバッジを全て集め、リーグチャンピオンを撃破してもらいたい。そして、その暁には二人は戦ってもらい、勝者にはポケモンマスターとして、リーグ、いやポケモンの歴史に名を刻む栄誉を与えたいと考えているんだ」
最後まで聞いたレッドはワタルに言う。
「かなりハードな条件ですねぇ」
「ポケモンマスターというからにはそれぐらいやって欲しいもんだと思ってね。ちなみにこの条件をシンオウのリーグチャンピオンのシロナさんに言ったら苦笑してたよ……」
ゴールドもまた、苦笑している。
「で、君たち二人にはその優待をする。何、経済的な援助だけど……ほら」
ワタルは二枚のプラスチック製のカードをそれぞれ一枚づつ二人に手渡した。
鼻にくる樹脂の匂いがなんとも新品であることを物語る。
「これは?」
「それは全国すべての港で使えるフリーパスさ。僕のポケットマネーで買ったんだ」
レッドはワタルのそんな気遣いを見て、なん
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