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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり
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すかね!」

 レッドが気合を入れると同時に、エリカは

「杞憂に終わるでしょうけど、負けないでくださいね」
「当然さ」

 エリカは洞窟の入り口まで下がった。
 少年はレッドと戦う事しか頭に無かったのでエリカなど眼中に無かったようである。

「……」

 レッドはエリカとの抱擁を中断させられたせいで苛立っている。

「ど、どうしました?もしかして怒ってます?」

 少年は申し訳なさそうに、レッドに言う。

「……別に」

 レッドは帽子を目深に被り直しながら答えた。

「行きますよ……行けっゴローニャ!」
「……フシギバナ」

――――――――

「フシギバナとラプラス、カメックスを撃破したか。さっきより力は上がったんだな」
「クソッ、なんで負けるの……!!」

 少年は悔しさの余り、地団駄を踏んだ。

「レベルさえ追いつけばきっともっといい戦いが出来るさ。また出直してこい」
「……次こそは負けないですよ」

 レッドはふと疑問に思った事を尋ねる。

「……そういえばお前の名を聞いてなかったな」
「はい! ゴールドっていいます!」

 その少年……ゴールドは元気よく答える。
 そう答えた後、ゴールドのポケギアが鳴った。

「あれ、鳴ってる……。はい、もしもし。あぁカスミさん……うん分かった」

 大した用では無かったようで、数十秒ほどで会話は終わる。

「中々親しいようだな」
「ああ、僕の彼女ですよ、昨日もずっと搾られてたいへんだったんですから……×××を」

 レッドは信じられないと思い、自然と表情を一瞬だけ曇らせる。

「いやー、チャンピオンになってから異性同性問わずうるさくなっちゃって……でもレッドさんに勝てないんじゃまだ本当のチャンピオンじゃないですよね」

 レッドは年下に先を越されたことに、心中で激しくショックを受けながらも姿勢は崩さずにこう尋ねる。

「でもリーグはワタルさんに任せたままだろう?」
「ええ、僕はもっと旅がしたいので。ああそうそう!レッドさん、ジョウト行った事あります?あそこは良い所ですよー。特にエンジュシティという街は気品高くて」

 ゴールドが目を生き生きと輝かせながら言う。

「ジョウトか、そのうち行ってみたいものだ。ゴールドといったな、これからどうする気だ」
「うーん、修行は勿論ですけど他の地方にも行ってみたいかなぁって思ったりしてます」

 そうこう話していると上空からどこからともなくカイリューが飛んで来る。
 カイリューから赤い髪のマントを羽織った青年が下りる。ポケモンリーグチャンピオンにして全国ポケモンリーグ理事長のワタルがやってきたのだ。
 二人よりは年上ではあるが、その顔やいでたち
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