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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第一話 月日は百代の過客にして行きかふ年もまた旅人なり
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「そうですかー。あのー降りないんですかー?」
レッドは話しづらいと感じていたため、降りる事を勧めた。
「そこさー。尖った岩だらけでしょう? 手持ちをバトル以外で傷つけるのは嫌だからねー。不便かけて悪いけど、これで我慢して」
「そうですかー」
なんとなく容姿を気にしていただけに、レッドは落胆する。
「あのポケモンはバンギラスっていうのよー。タイプは岩と悪タイプ! 凶暴で、手がつけられなくなると大きな山を崩しちゃうの! シロガネ山だって例外じゃないわ。にしても、ここには幼体のヨーギラスしか居ないって聞いたんだけど……」
「岩ポケモンは岩石を好みますから、食べ過ぎて進化したとかじゃ」
レッドの問いかけに、女は合点がいったようで
「なるほど。それもあるかもしれないわね。とにかく、バンギラスがこの山に出たというのは由々しきこと。シロガネ山は数百年火山活動が無いみたいだけど、バンギラスが刺激して、噴火が起こらないとは言い切れないわ。下手をすれば、国の存亡に関わる被害が出る可能性も否めないわね」
シロガネ山はカントーとジョウトの中間に位置する。
もしもそんな山が噴火すれば、火山灰が地を覆い、トレーナーたちはバッジ集めどころではなくなる。それよりもレッド自身が山から出れなくなる危険性がある。
「そ……そうですね」
レッドは固唾を呑む。
「今回は追い払っただけ。恐らくバンギラスは再び出没するでしょう。その時には、貴方がバンギラスを制しなさい」
「ど、どうして俺が?」
レッドは倒すことに疑問を持っているわけではなく、どうして女が制すことが出来ると知っているのか気になっていた。
「シロガネ山に来れるのは、選ばれたトレーナーだけと聞くわ。そして頂上に居るということは、修行に来ていると言う事を自ら言ってる様なものよ。今回貴方が手間取ったのはあまり相手を知らなかったからでしょうし、次はきっと大丈夫よ。健闘を祈るわ! それじゃーね」
そう言うと、女性は身を正し、この場から去ろうとする。
「あの! 最後にひとつだけ聞かせてください! 貴女はどうして、バンギラスを倒さなかったんです? 結構良い勝負していたじゃないですか!」
レッドは気になっていたことをぶつけた。
「私はただの鳥使い。少し相性がいいくらいじゃ、足止めは出来ても、倒すことなんて出来ないわ。それに、貴方だってどうしてバンギラスを追撃しなかったのかしら?」
女の問いかけにレッドは少し考えて答える。
「それは……、たかが岩なだれであんなにダメージ食らったのに、追撃したら瀕死させちゃうかもしれないから」
「修行に来てるのに、ポケモンに限界まで挑ませないなんてどうかしてるわ。優しさも大事だけど、強く
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