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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第〇話 黎明
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「そう。内国に加えてしめて五地方! そしてそのトレーナーにはその地にいる全力のジムリーダー、四天王、チャンピオン。その上バトルフロンティアという施設にいる長達を倒してもらう! それが成った暁には、現在建設中のイッシュ地方のホドモエという街にあるポケモンワールドトーナメントの場で決戦を行い、ポケモンマスターを決定する!」
ワタルは堰を切るように、計画の全容を話した。
これまで聞いたことも無い壮大な案にジムリーダーたちは目を丸くする。
「それで、そのトレーナーって誰なんです?」
タケシが尋ねた。
ワタルはスイッチが入ったのか、機嫌の良い声で答える。
「いい質問だ。ジョウト地方のここに居る全員を討ち破ったトレーナー、ゴールド君。そして、今シロガネ山で修行をしている今や生ける伝説となったトレーナー、レッド君だ」
ここにきてエリカが反応を示す。三年前の告白の返事をするまたとないチャンスである。
「うおおおす! 中々白熱した戦いになりそうだな!」
カツラが熱意を宿した目になる。
「問題は、これをどうやって伝えるかだ。ゴールド君はポケギアで何とかなるにしても、レッド君はそうもいかない。誰か使いを出さないと……」
ワタルは思案投げ首な様子を議場に晒す。
「じゃあ、俺が行きます! 岩ポケモンを使えばシロガネ山くらいどうってことないです」
タケシが手をあげて率先して引き受けた。
「おお、それは頼もしいね。それじゃあ、タケシ君に……」
それで場が決まりかけたその時である。
「ま……。待ってください!」
エリカは席を立ち、普段はまずあげない声量をあげて、異議を唱える。
ざわついていた議場は一気に静まり返った。
「あの……。私にお任せくださりませんか?」
タマムシ第一の令嬢で、汚れ仕事を嫌うエリカがやるとは誰も思わなかったのだろう。ジムリーダーたちは大いに驚いている。
「ちょっとエリカ! あんた本気なの? シロガネ山がどれだけ危険か分かった上で言ってるんでしょうね?」
「そうよ! ここは男手に任せるべき!」
そして、やがてナツメ、カスミといった女性陣が止めにかかった。
「私、レッドさんに個人的な用事がありますから」
「そうか。じゃあエリカ君……。きつい仕事になるけど、任せてもいいかな?」
「理事長!」
ナツメが立ち上がり、ワタルを牽制する。
「ナツメ君。言いたい事は分かるけど、この仕事の危険さが分からない程エリカ君は愚かじゃ無い。その上で彼女は買って出ているんだ。ここは彼女の意志を尊重してあげないと」
ワタルの諭しにナツメは溜飲を下げ、着席する。
「それじゃあ、頼んだよ。登る為のポケモンはこちらで用
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