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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第〇話 黎明
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カネちゃんの添削、聞かせてよ」
「あ……ああ。添削な。せやね、字が綺麗で読みやすいと思ったで! 字だけで惚れて……」
アカネは口からついて出たかのように言った。が、途中で何を思ったか言葉を濁す。
「あ、ありがとうございます……?」
ツクシはなんとも複雑な心境そうな表情を浮かべながら、礼を言う。
一方のマツバは目を丸くして
「いや確かに、字は大事だけど……。他には何か無いの?」
「え、他って……」
「内容だよ。僕はさっき山名氏の記述が薄いって言ったけどアカネちゃんはどう思かと思ってさ」
マツバは諭すような声で提言を勧める。
「あー。せやね、ウチ的には全体的にもうちょい簡潔に書いた方がええと思うんよ。例えば……」
こうして、ツクシの受験勉強は夜更けまで続くのだった。
―2013年 1月31日 午後7時 セキエイ高原 ポケモンリーグ 理事長室―
内国。カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウの四地方リーグの頂点に立つ理事長、ワタル。
彼は次回の定例会前日に当たるこの日、ある人物を呼んで計画の最終調整をしていた。
「ヤナギさん。これを明日の定例会の時に布告しようと考えているのですが……どう思われますか?」
ワタルは目の前のソファに座って居る、白髪の老人に計画書を手渡し、読み終えた後にそう言った。
「なるほど。イッシュと内国。両国の緊密化を図るために……か。よく考えたのう。問題はこの計画に誰を遣わすかじゃが」
ヤナギは左手を顎に遣りながら尋ねる。
「それについてはいい人材が二人ほど居ますよ」
―5分後―
「ふむ。そうか。だがちと若すぎはせぬか?」
「若いからこそです。ポケモントレーナーを志願する人は大抵10代。この二人と同じ年齢層。それに中高年だって若いころの自分にそれを投影して人気を博すかもしれません」
「なるほど……。分かった。好きにするがよい」
こうしてワタルの計画に太鼓判が押される。
―2013年 2月1日 同所 第二会議室―
ポケモンリーグには4つの会議室がある。
定例会はいつもこの場所で行われている。
ワタルが中央に座り、そこから交互に1番目〜8番目のジムリーダーが着席するのが慣例だ。
定期報告を終えると、理事長のワタルの適当な話でいつも終えるのだが、今回は違う。
「今回は重大な発表がある」
理事長の一言にその場にいる全ジムリーダーがワタルに目を向ける。
「今月、二人のトレーナーを全国に羽ばたかせたいと考えている」
そして、その発言に議場はざわめきだした。
「全国って……もしかしてイッシュも含めて?」
ワタルに二番目に近い席に座るカスミがそう呟く。
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