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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第〇話 黎明
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「あぁ、そういえばツクシ君もそろそろ追い込みの時期だったわね……。無事に受かるといいけど」
ナツメはエリカの話に合わせようと、適当に当たり障りのないように返す。
「ツクシさんはかなりの努力家ですわ。きっと実を結びますわよ」
エリカは確信に満ちた目でそう言った。
―10月5日 午後3時 エンジュシティ マツバ邸 居間―
ツクシは自らの虫ポケモンの博士になるという夢を叶える為に、虫研究の総本山であるエンジュ大学を志していた。
マツバは去年同大学を首席で卒業し、アカネも同じ大学に推薦入学が決まっている。その為、マツバが文系科目をアカネが理系を担当する形でツクシに受験対策を施しているのだ。
ツクシは生物に関しては折り紙つきの実力の為他の教科を勉強している。
「マツバさん、これでどうでしょう……」
ツクシはマツバに受験科目であるジョウト史の答案を恐る恐ると見せる。
1000字の論述問題である。答案には字がびっしりと詰まる。
マツバは手に取り
「どれどれ……。うん、悪くはないけど、山名氏に関する記述が弱いかな。室町幕府において四職の一つを担う程大事な役割を持っていたから問題の『室町幕府と守護のパワーバランスの変遷』を論ずる上では大事な要素だよ」
「ハハハ……大きな視線だけで書いちゃいけないんですね」
そう言うと、障子が開く。アカネがお茶を用意してきたのだ。
「お疲れやでー。マツバ、調子はどうなん?」
アカネが三人分の茶を大机の上に分配する。
「今、ツクシ君が答案書き終えてね……」
全て言い終わる前に、アカネは尋ねる。
「そか。よう頑張ったな! どれ、見せてみい」
「えっ、でもアカネさんは物理とかの担と」
ツクシの発言をアカネは遮って
「やかまし! ウチはどの教科でも出来たやろ?」
「うーん確かにそうだったけど……。なんか腑に落ちないんですが」
ツクシの返答に対しマツバは横槍を入れ
「別の視点からの添削も大事だよ。試験官にはいろんな人がいるからね」
「さすがマツバや! ナイスフォロー!」
ツクシは少々の時間黙した後
「そうですか……。じゃ、渡してください」
そう言う訳で、マツバからアカネの手に答案が渡る。
「おおきにやでー」
アカネは答案を手に取って、興味津々に読みふける。解答の内容というよりもツクシの文字の形や書き方に興味を持ってる様子にもとれた。
10分ほどが経ち
「あの、アカネさん?」
「へ!? な、なんや?」
読む行為に耽溺していたアカネは数回ほど呼ばれて漸く気付く。
「全く、メデゥーサにでもとりつかれたのかと思ったよ。それで、どんな感じ? ア
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