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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第〇話 黎明
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2010年 1月14日 午前11時 タマムシジム―
レッドは挑戦以来となるこのジムを進んでいった。
男子禁制らしいが、レッドがチャンピオンになった事は透明の水に絵の具を溶け込ませるが如くに伝わっており、追い払われるどころか「写真撮らせてー」などとせがまれる始末である。
適当にあしらいながら進んでいった。
ジムに入って十分が経過しレッドはジムの一番奥に到達した。
そして漸くお目当ての人物にあった。ジムリーダーのエリカである。
彼女は相も変わらず小奇麗で黄色の着物に赤色の下袴を身に着けていた。
風の便りによれば彼女は17歳らしい。そんな歳には思えないほど彼女は清楚でかつ大人びている。
こんな女性が同じクラスにいればホワイトデーにはあげてもいないのに大量のチョコが溢れかえるだろうななどと思っていつつ、挨拶を済ました後、エリカの方から話しかけてくる。
「この度はグリーンさんを下してチャンピオンになられたようで……私としても嬉しい限りですわ。本当におめでとうございます」
と彼女は恭しく頭を垂れる。
「礼を言うのはこちらの方です! 貴女のアドバイスがなければ途中で投げ出していた可能性もあるのですから」
「アドバイス……?」
エリカはなんの事かと少々の時間考えていた。
その仕草も実に可愛らしいが、レッドは思い出させようと試みる。
「ほら、あのアレですよ」
レッドはエリカに思い出させようとする文言を案じていたが、その必要は無かったようだ。
彼女は、レッドが指示する前に、すぐに思い出したからだ。
「……もしかして、ポケモンの育て方が偏っていると指摘したあれで御座いましょうか?」
まさにその事である。
「はい!そうです」
レッドは覚えててくれたのかと安堵した表情を見せた。
「あのような物で一助となったのであれば幸甚の至り……。用というのはそれのみですか?」
「……、いいえ違います。もう一つ用があるんです」
「あら、何でございましょう?」
エリカは興味深そうに尋ねてくる。
「あの……。変な質問をして申し訳ないんですが、エリカさんの好きな男性ってどんな人ですか?」
レッドは勇気を振り絞って尋ねる。
「そうですわね……」
彼女は少し俯いて考える仕草をし、少しの間を置いた後
「学識が高く、聡明でいらっしゃって、かつどのような事にも屈しない強靭さを持った殿方……でしょうか」
カントー第一の才媛らしい回答である。レッドはそんなことを再認識させる答えを聞いて打ち負かされそうになったが、すぐに気を取り戻す。
「そうなんですか……」
「あの、どうしてそのような事を?」
彼女は怪訝というよりも単純な疑問を持っ
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