第三十六話 佐藤大尉!ちはやぶる!!その十二
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今回も白波の中に立つ岩場の上に腕を組んでポーズを作った、尚智は前を尚武は左の方を向き旭日をバックにして。
「正義は勝つ!」
高らかに言った、しかしその二人に瑚椒地獄から立ち直った瞬が言った。
「また卑怯な勝ち方して」
「だから勝負は勝てばいいんだよ」
「いつもそう言ってるだろ」
その瞬にだ、二人は悪びれずに返した。
「だからいいんだよ」
「俺達は正義なんだよ」
「負けた奴が悪いんだよ」
「これも作戦だよ、作戦」
頭をこんこんと横から指差しつつ言う、元巨人のクロマディが相手からヒットを打った時にしていた挑発的なポーズだ。
「俺達の灰色の頭脳」
「これが勝たせてくれたんだよ」
「だから問題なし!」
「戦いは頭だぜ!」
「頭の良い奴が勝つ!」
「手段なんて選んでいられるか!」
仁徳天皇陵の前で胸を張って言う、だが。
その二人の頭の晴天であるのに雹が落ちて来た、直径二十センチ程のものが。
その雹を受けてだ、二人は空に向けて怒鳴った。
「今度は雹かよ!」
「ひょっとしてこれ仁徳帝のお怒りか!?」
「俺達皇室は愚弄しねえぞ!」
「どっかの大統領と一緒にするな!」
流石にこれはない、この二人でも。
「それでこれかよ」
「今のは痛かったぜ」
「というかこんなの普通に受けたら死んでたぞ」
「俺達もスーツ着てないとな」
直径二十センチの雹を頭にまともに受ければだ。
「いや、最近こんなオチばかりだな」
「とことん主役にきつい作品だな」
「何でここまでやるんだよ」
「俺達の何処が悪いんだよ」
「その生き方の全てがだ」
同じく胡椒から復活した織田さんも言う。
「悪い、だから神罰を受けたのだ」
「糞っ、何てこった」
「神様も世知辛いよ」
「神罰受けるなんてな」
「それも毎回な」
「仏罰の場合もあるけれどな」
「というか生活あらためろ」
今度は松岡さんが出て来た。
「この腐れ者共が」
「うっせえよ、爺」
「精々百歳から先まで寿命を伸ばしてやがれ」
「それで曾孫さんか玄孫さんの顔でも見てろ」
「楽しい老後を堪能してやがれ」
「今現在そうしておる、しかしじゃ」
それでもと言う松岡さんだった。
「御前等は死んでやりなおせ」
「おい爺、また何言いやがる」
「そんな悪態ついてるとそれ以上長生き出来ねえぞ」
二人は松岡さんに悪態で返す、いつも通り。
「餅に喉詰まらせて死ぬぞ」
「お年寄りは気をつけないとな」
「ふん、餅は小さくしたのしか食さん」
勿論気をつけてだ。
「わしも気をつけておる、そしてじゃ」
「俺達は死んでやりなおせか」
「最低でも生活をあらためろか」
「どっちもするかよ」
「人生は酒池肉林だろ」
それこそが醍醐味だというのだ。
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