暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第129話 白昼夢
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始から僅か五分で飽きた彼女の台詞。
 そんな彼女のリクエストに、何故か律儀に答える俺。別に彼女に弱みを握られている訳でもなければ、俺自身が頼み込んで彼女に着いて来て貰った訳でもないのに。

 もしかすると俺自身も地道な捜査と言う物に少し飽きて来ていたのかも知れない。

 ただ――
 ただ、何故か、彼女の我が儘が通ったのに相変わらず不機嫌なままのハルヒ。この辺りは通常運転中……と捉えたいのですが……。
 どうも、本当に不満な部分は何処か別のトコロにあるような気もするのですが……。

「成功率が低くなるから使いたくないだけや」

 何のリスクも負わずに時間を短く出来るほど、世の中……と言うか、仙術は単純には出来ていない。少なくとも、俺の知っている術式にはない。
 少しは機嫌が直るかと思って別の方法が有る事を口にしたのに……。これなら当初の予定通り、有希の術式との複合で行う方がマシだったかも知れないな。
 心の中でのみ悪態を吐き、精神を少し落ち着かせる為に、俺の右側に立つ少女へと意識を少し向ける俺。

 そこ――俺の右側三〇センチの場所に立つ少女。普段と変わらない無表情。但し、今は少し不機嫌……だと思う。
 俺の精神安定剤の役割の少女まで不機嫌って……。

 現在の状況のカオスさに少し舌打ち。世の中には二股どころか、ハーレム状態を維持出来る器用な人間が多数居るのに、友人関係さえ維持するのに苦労するとは……。

「我は祈り願う。土地神をこの場に姿を現さん事を」

 結局、無理矢理、術に集中。普段よりも気合いを入れ、口訣を唱えると同時に導印を結ぶ俺。
 しかし……。

 陽光は弱いながらも世界を照らし続け、冷たい風が、相変わらず奥羽山脈から吹き下ろす。
 冬枯れの芝生は少しの寂しさと、それに勝る来年の緑を予感させた。

「……何も起こらないわね」

 長閑な週末の午後。流石に公園の端に当たるこの辺りまでやって来る散歩中の人や、何が楽しいのか分からないながらも走り回っている小学生の姿は存在しませんが、それでも異常な気配に包まれている、と言う感じはしない。
 この状態では、ここに土地神が姿を現す可能性はほとんどないでしょう。

 仕方がないか。時間が掛かった訳ではないけど、ひとつの仕事が徒労に終わった事に対して小さくため息をひとつ。
 そして、それに続く仙術の基本を知らない素人に対する説明について、更にひとつ小さくため息を吐き出す俺。

「そもそも、邪神召喚が行われる際に、最初に対処するのがその土地神たち」

 故に、真面な術者なら最初に土地神を封じる。
 有希と弓月さんだけなら、こんな手間は端折る事が出来るのに。そう考えながらも、アヒルの顔真似を続ける少女に説明を行う俺。

 もっとも、今
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