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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第129話 白昼夢
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同士の戦いに巻き込まれ、最後は瞬間移動で遙か上空から山火事が起きて居るかのような風景を見せられた。

 流石の彼女も、これだけの不思議な現象を、身を持って体験――。それも彼女が想定していたレベルとは、おそらく違い過ぎる不思議な体験だったはず。
 以前に彼女が体験した夢の中での出来事も、確かに普通に考えると跳び抜けて不思議な体験だったと言っても良いでしょう。……が、しかし、アレはそう言う夢を見た、と思い込まされる方法が科学的にない、とは言い切れない事件。所詮夢は夢。外的要因から夢の内容を導く方法がない訳ではない、と言う事を彼女ならば知っているはずです。
 しかし、昨夜の事件は旅館内で戦いの痕跡を見付け出す事も可能なら、山火事……までには至らなかったけど、アスファルトが溶ける程の高熱や森を焼いた不審火の跡。更に細かなトコロでは、素足のままでアスファルトの上に立たされた際の冷たさ。そして、自らの足の汚れなどから、昨夜のアレが現実に起きた出来事だと簡単に理解出来たに違いない。
 故に――

「芸って、オマエなぁ――」

 人間以外の存在に危うくアブダクションされかかり、流石に少しは大人しくなるかと思っていたのに……。
 朝から犬神使いの痕跡を調べる為に、ハルヒの部屋から昨夜戦った場所。そして、最初の被害者が発見された現場へとやって来た俺たち。それに勝手に付いて来たのがハルヒ……だったのですが。
 既に地道な調査に飽きたのがありありと分かる雰囲気。

「涼宮さん、武神さんが笛を吹くのは皆に演奏を聞かせる為ではなく、術を行使する為なのですから……」

 非常に不真面目な様子のハルヒを嗜める弓月さん。
 確かに、ここには朝倉さんが付いて来ていないので、ハルヒの御守りをするのは弓月さんになるのでしょうが……。

 ただ、飽きたと言うのなら仕方がないか。

「いや、それなら別の方法を考えて見るか。別にこの方法が唯一絶対と言う訳ではないから」

 確かに成功率から言えば、長嘯を使用する方が成功率は高い。それに、今回は有希も居るから彼女にも同時に歌って貰う心算だったので、更に確率は良く成るはずでした。
 その方が効果範囲も広くなり、結果として集められる土地神の数も増えるはず。
 しかし、同時に時間が掛かるのも事実。
 長嘯はどうしても一曲、完全に演奏し切る必要がある。他の術式ならば口訣と導印だけの時間で終わるのに……。

「何よ、他に方法があるのなら、最初からそっちを使えば良いのよ」

 ここに辿り着いた最初は興味深そうに全高一メートルほどの石碑を眺め、裏側の確認などをして居たのですが……。もっとも、表面に何が彫られている訳でもない、ただのでかいだけの石に過ぎない石碑を見てもそんなに楽しい訳はなく……。
 この場の調査開
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