学園祭のライオンハート
眠りの病
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ているとなると生命維持装置で延命処置されていると言う事か。
「・・・・ごきげんよう、小母様」
俺が持っていた花束を受け取りながら、執事は言う。
「黒鐵様、この方はミスラ・バアル様。サイラオーグ様の母君でございます」
やはりか・・・・アスモデウスの情報通りだな。病までは知らないが、気配だけで衰弱してるな。
「今日、ここへお呼びしたのは他でもありません。リアス様、黒鐵様、どうかこの方を。ミスラ様を目覚めさせる為にご助力願えないでしょうか?」
「少しばかり事情を窺ってもいいかな?リアス」
「ええ。一誠も知ってるかもしれないけど、私らが知っている事を話すわ」
一組の母子が辿った激動の運命であるが、サイラオーグはバアル当主の父親と獅子を司る名家ウァブラの母親の間に生まれた。次期当主が生まれたと大変喜んだが、ここからは余りにも残酷な話となる。
魔力が無い悪魔でバアル家の特色である『消滅』の力を持っていなかったからである。代々当主は魔力に恵まれて『消滅』の力を持つ事が当然とされていた。サイラオーグはそれを持たずに生まれた為、失意にくれる父親は怒りの矛先を妻に向けた事でサイラオーグと母親は見捨てられた。
『我が一族が持つ滅びの力をどこにおいて、こんな欠陥品を産んだのだ!?』
とね。当時俺は眠っていた頃だった為、俺は強い権限力を持っていたがその権限を使わずに時間が経過してしまった。魔力と滅びを持たずに生まれた事で、欠陥品と言うレッテルを貼られた挙句の果てには『欠陥品を産んだバアル家の面汚し』と蔑まれていた。
「当時俺はまだグレモリー家と出会ってなかったからな。初めて会った後から知った時に、当時のバアル家は実に不愉快な者だと覚えたな。貴方含めたウァブラ家の従者達を除いて、ほとんどの輩が二人を侮蔑と差別を受けたと知った」
「まあ知って当然よね。一誠は全てを創ったとされる創造神黒鐵で、その時は母と出会っていなかったのだから。グレモリー家も噂を聞いて、母が小母様とサイラオーグをグレモリー領土に保護しようとしたけど、あちら側であるバアル家から強く拒否されてしまった」
「ヴェネラナ曰く、本筋の者でもなく嫁に行った者がバアル本家の事に口を出すな、だったか。グレモリーには滅びの力を色濃く受け継いだ事で、冥界で活躍したサーゼクスだったがバアル家にとっては面白くなかったと聞いている」
そんで大王であるバアル家は、世襲ではない現魔王を除けば家柄的にはトップに君臨する上級悪魔だからか。他の御家でも口出しは難しくオマケにプライドが高いから、周囲の目を気にするようになった。サイラオーグと母親が厄介者となってしまい、ウァブラ家が二人を帰還するよう求めたがバアル家からの返事は残酷で許す訳がない程だったと聞いている。
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