041話
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。あそこの老人と同じ」
仮面に隠されていた素顔は紛れも無く女の物であったがそれは異形の物であった。人間の頭の中にあった常識という思考では判断しきれない醜悪で恐ろしく怪異なもの。右目があった筈であろう場所には無数の剥き出しの目玉が顔を覗かせている。その一つ一つが不気味な程に真っ直ぐでこちらの心を見通すような印象を受ける。
「"ゴーストARM"、魔女ぐらいならこのARMを知ってるよね」
「み、自らの身体を使って繰り出す禁断のARM……!!ま、まさかあんた……」
「そうその使い手さ!!!ハウリングデモン!!」
邪悪な輝きな共に変化していく右腕、悪魔の口となったそれは大口をあけに酌むべき世界を破壊したげに破壊の叫びをあげた。
「拙い!風の神の鉄槌!!」
風と共に魔力を箒へと込めそれを一気に振りおろし叫びを粉砕し空へと四散させる。叫びは無数に分かれていき空を巡る流星となって消えていった。
「あんたなんでそんなARM使ってるのよ!?もう人間に戻れないのよ!?」
「私は捨てたんだよ人間を、あの日から」
彼女の口から語られたのはその場に恐怖と狂気を感じさせる話であった。
―――彼女はある日幸せの絶頂にいた。心の奥底から愛する男との結婚をする筈だった、その男は元チェスのメンバーである事は知っていたがそんな事など気になどしないほどに愛していたのだ。そして新婦の前で愛を誓おうとした時、多くの人達が教会へと乗り込み揃えてこう言った。
―――チェスの残党だ。
―――殺せ。
―――チェスを皆殺しにしろ。
女は男と引き剥がされた。男は女に直ぐに戻るから待っていてくれと笑顔で言った、愛した男の言葉を信じ女は協会で神に祈りながら彼の帰りを待ち続けた。きっと彼は帰ってくる、そう信じ続けた女の前に一つの腕が投げ捨てられた。
―――その腕は女が結婚する筈だった男、マルコの腕だった。マルコは死んだ、口を割らなかったから殺したと言われた。だから次はお前を拷問すると周囲の人間は言った。何度も何度も行われる拷問は最早チェスの残党を吐かせる為に物ではなくチェスへの生まれた憎しみを晴らすために行われていた。
漸く逃げ出した時彼女は既に女とは言えない状態だった。深く絶望し愛する人を奪って世界を、人を憎んだ。そんな時にチェスに手渡されたのがゴーストARMだった。修練の門に潜り自らの身体を食わせ続け戦闘マシーンへと変える日々を続け、ついに彼女は身も心も作られた魔物へと変化した。
その話を聞いていた全員が身を震わせた、自分たちの思いがこの女をこんな姿へと変えてしまったのかと。戦争は憎しみしか生まないというのを体現したかのような女、彼女の憎しみは世界を燃やし続けるしか終
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