7話 激戦のアメリカ 11.05
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その夜の懇親会もイセリナは出席しており、周りを見渡してはガルマが一人外のバルコニーにて佇んでいた。イセリナはゆっくりとした足取りでガルマに寄って行った。
「ガルマ様、こちらにいらっしゃったのですね」
「ああ、イセリナか」
ガルマは知った顔を見て綻んだ。
「懇親会。表向きはジオンとの共存共栄を目指し行われているが、内心は私に奪われたあらゆる特権に恨むものたちの談合だ。知っておきながら、出なければならない我が身にちと嫌気が指してな」
ガルマは笑った。イセリナは窘めた。
「もう。ガルマ様は。確かに父を含め取り巻きはよくは思っておりません。連邦の進撃に期待する声が相当聞こえるもの確かです」
「仕方ないな。しかし彼らの期待に応える訳にはいかないし、それに叶わぬ願いだ。私のザクの壁とガウの雨により連邦は疲弊していくであろう」
ガルマは遠くの空を見つめ言うと、部下のダロタが足早に報告する事案があると言いガルマの下へやってきた。
「何事だ。ダロタ」
「ガルマ様、失礼いたします。2日前前線より火急の報告がありまして、ガイア隊の全滅が司令部にもたらされました」
「なんだと・・・あの3連星が」
ガルマは愕然とした。そして戦況の確認を聞いた。
「そして、ノースダゴタの前線はどうなった」
「ザクの壁は夜間の敵の絨毯爆撃によりミネソタまで後退。その後敵の進撃が止まらず、ウィスコンシンまで前線が下がり踏みとどまっております」
ガルマは報告を聞き終えると、腕を組み考え込んだ。
「・・・私が前線に出るしかあるまい。ザクの壁の再構築とガウの絨毯爆撃にドップとマゼラアタック隊による地上と制空権の掌握をする目標はウィスコンシンだ。すぐ出撃準備をいたせ」
「了解であります」
ダロタは急ぎ早司令部へ戻っていった。その話を聞いたイセリナは不安に感じた。
「ご出陣ですか?」
「ああ、連邦もよくやる。前線の兵も苦労をかけているからここで私が出向く必要もあるのだろう。その機会が来ただけだ」
ガルマはイセリナの腰を取り、接吻を交わした。
「安心しなさい。今回も必ず私が勝ち凱旋を果たす。そしたら公的に婚約を申し入れる」
「ガルマ様・・・」
イセリナはガルマに抱き付いてしばらくそのままでいた。
* コロラド グランドキャニオン周辺 11.09 14:15
シャアのドム隊の奇襲作戦は功を奏し、前線自体をコロラドまで押し上げていた。
ガイア隊とランバ・ラル隊は前線の維持による連邦の削り取りに躍起になっていたが、シャアは独自の作戦でザクの壁とガウの雨を有効活用していた。
「デニム、この先はどうだったか」
シャアが斥候に飛ばしていたデニムの報告を
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