Fate/stay night
1152話
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ーの言葉に首を横に振る凛。
まぁ、ワカメみたいに自分から毎日のように絡んできていたならともかく、殆ど面識がないのであれば、その動向を完全に把握しろってのは無理か。
一応使い魔って手段があるけど、凛の魔術は宝石を使う魔術で、ぶっちゃけコストパフォーマンスが悪すぎる。
それに、間桐の魔術ってのは地下室で見たように蟲を使う代物なんだとすれば、当然凛が放った使い魔を見つけるのもそう難しい話ではないだろう。
「そうでしょうね。……もしも貴方が使い魔の類を使ったとしても、本物の間桐臓硯の行方を見つける事は出来なかったでしょう」
「……本物?」
ライダーの言葉に、違和感を覚える。
今の言い方だと、まるで偽物がいるかのような話し方だ。
そう思っていると、ギリッと歯を食いしばる音が聞こえてくる。
音がしたのは衛宮のいる方で、その衛宮が唇を噛み切って血を一筋垂らしていた。
「シロウ」
セイバーが衛宮に声を掛ける。
心の底からその身を案じているようなその態度は、セイバーというよりは女としての態度にすら感じられた。
これってもしかして、そういう事か?
疑問に抱く俺の前で、ライダーは再び口を開く。
「ええ。何せ本物の間桐臓硯は……桜の心臓に寄生しているのですから」
「っ!? ど、どういう事!? 何だってそんな事になってるのよ!」
ガチャンッ、と周囲に響く食器の音。
凛が手をテーブルに叩きつけた音だ。
だが、衛宮はそれに答えず、セイバーは怒りを押し殺したかのように沈黙を守り、ライダーは表情を動かさず、イリヤはその年齢に見合わぬ冷静さで話の成り行きを見守っている。
「凛、落ち着け」
「落ち着けって……落ち着ける訳がないでしょ!? 大体……」
「落ち着け。お前が頭に血を上らせてどうする。常に優雅に。それが遠坂家の家訓なんだろ?」
そう告げ、テーブルに叩きつけられた凛の拳を上から握ってやると、ようやく少しは落ち着いたのだろう。やがて考えを纏めるように深呼吸をする。
「それで……ライダー、臓硯が桜に寄生しているというのは、具体的にはどういう事なの?」
「その言葉通りの意味です。現在の間桐臓硯は、既に人の姿をしておりません。身体を人のそれから蟲へと代え、間桐の後継者を産む為の胎盤となる桜を監視する意味があるのか、その心臓の内部に寄生している状況です」
言葉程に冷静という訳ではないのだろう。ライダーの身体からユラリとした怒気が放たれる。
これまでの話の流れからも理解していたが、ライダーにしても桜という人物は大事な存在なのか。
「蟲にって……そんな真似……いえ、間桐の魔術は使い魔に深い造詣を持つらしいから、それを考えれば……でも、幾ら何でも無理がある筈よ?」
「そ
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