Fate/stay night
1152話
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明確な感情を抱いていたのかどうかは分からないが、憧れていたのは事実だ。
実際、凛もまた自分を見る衛宮の視線でそれを理解していたって言ってたし。
そんな、かつて憧れていた人物が、自分の前で俺に抱かれたと匂わせるとか……抱いた俺が言うのも何だけど、少しは男の純情を思いやって欲しい。
根本的に衛宮とは合わない俺だが、それでも今の凛の仕打ちには少し同情してしまう。
「おや、そうですか。どうやらアークエネミーは特殊な趣味をしているようで」
「何よ、アークエネミーは別に胸の大きさで女をどうこうなんかしないわ。だから綾子だってアークエネミーに抱かれ……」
「はい、そこまでだ」
とんでもない事まで言いそうになった凛の口を塞ぐ。
いや、それはちょっと手遅れだったかもしれないけど。
実際、衛宮が先程とは違った意味で目を大きく見開いて俺の方へと視線を向けていてるし。
そこに驚き以外にも怒りの色が若干混じっているのは……まぁ、衛宮は綾子とも友人関係だったらしいから、二股がどうとか考えればしょうがないんだろう。
凛も自分が何を言いそうになったのかに気が付いたのだろう。頬を赤く染めて俯いている。
そんな凛の方へと顔を向けたライダーは、次の瞬間には再び俺の方へと顔を向けてくる。……多分。
「なるほど、見かけによらず夜も強いのですね」
取りあえずその言葉は流し、紅茶を口に含んでから改めて口を開く。
「それで、間桐桜とかいう女が衛宮の家で預かっているのはいいとしてだ。まさか、それが理由で衛宮とライダーが手を組んだ訳ではないだろう?」
「そうですね。勿論桜が士郎に対して好意を抱いているというのも理由の1つではありますが」
「っ!?」
ライダーの言葉に、小さく息を呑む凛。
その桜ってのがどんな奴なのかは分からないが、凛とは少なからず関係があるようだな。
「だからと言って、当然それだけでこのような成り行きにはなりません。まぁ、桜の場合は聖杯自体には興味がないので、手を組んでもおかしくないのですが……当然私が士郎達と手を組んだ、正確には助けを求めたのには理由があります」
つい先程までの態度は何だったのかと言いたげに真面目な表情――目は眼帯で覆われている為に、真面目な口調でと表現すべきか――で話すライダー。
俺の隣に座っている凛が何を聞いても驚かないようにと緊張している様子や、衛宮達に協力を求められているイリヤが面白そうな表情を浮かべている中で、ライダーは口を開く。
「間桐臓硯。この人物の名前に聞き覚えはありますか?」
「慎二の祖父……だったかしら。既に隠居してこっちの世界には関わっていないと思ってたけど」
「その間桐臓硯ですが、今はどこでどうしているのか分かりますか?」
ライダ
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