第四十二話 佐天さん倒れる
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ですの?」
初春さんはここに居ないわけだが、取り敢えず白井さんには言っておいた方が良いだろう。
「未確定であっても、関連性を疑って木山先生の協力を仰いでるわけだから、固法さんにはちゃんと報告しとくべきだよ」
「それは初春が……」
俺が注意すると白井さんは初春さんに責任転嫁しかけたが、何とか思いとどまったようである。
「初春さんにもちゃんと言っておいてください。固法さん」
まあ、白井さんだけを責めるのも何か違うと思うので、初春さんの方は固法さんにお願いしておくことにした。
「ええ、分かったわ……あら、誰か来たようね」
固法さんがうなずいた所で来客を知らせるブザーが鳴った。ちょっと早いような気もするが、気配からしてアイテムの二人が到着したようである。
「あ、絹旗さんと滝壺さんだったら通してください。一応俺や御坂さんと同じで、白井さんと初春さんの協力者ってことになるので」
「あら、そう。分かったわ」
一応固法さんに二人の名前を伝えると、固法さんは来客用の入り口へ向かっていった。少しすると、かなり急いだ様子の滝壺さんが走ってきた。
「こうじろ、大変。昨日から急激にレベルアッパー使用者が増えてる」
『え!?』
滝壺さんの慌てたような言葉に驚く。俺だけでなく、御坂さんや白井さんも相当驚いているようだ。
「どういうことなの?」
「ああ、滝壺さんはAIM拡散力場を見ることが出来る能力者なんです」
絹旗さんと一緒に滝壺さんを追いかけてきた固法さんが聞いてくるので、俺はまず滝壺さんの能力から説明する。さっきまでレベルアッパーとAIM拡散力場の関係を話していた所なので、固法さんならこの説明で理解してもらえるだろう。
「なるほど。それで、どのくらい増えたのか分かるかしら?」
固法さんは完全に仕事モードになって滝壺さんに尋ねる。これまでもレベルアッパー使用者が暴れ回ってかなりの被害を出しているので、レベルアッパー使用者が急激に増えたということはこれからの被害も急激に増える可能性があることを指しているためである。
「どのくらいって言うのは難しい。でも、昨日今日でそれまでの二倍にはなってると思う」
『そんなにっ!?』
滝壺さんの話を聞いて全員が驚きの声を上げる。
(アリス、昨日と一昨日の木山先生の動きは?)
(特に動いたようには見えなかった。レベルアッパーのファイル自体にもここのところ触ってない)
昨日今日で急激に増えたと言うことは木山先生が動いた可能性が高いと思ってアリスに確認するが、木山先生自体は動いてないようである。少なくとも陰でコソコソといった程度ではアリスを誤魔化せるはずもないので、木山先生は動いてないのだろう
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