第四十二話 佐天さん倒れる
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上げる。どうやら二人とも俺がレベルアッパー使用者だと言うことを忘れていたようだ。
「ほう、そればらば調べてみようじゃないか」
「お願いします」
カエル顔の医者も俺のことが気になったらしく、椅子から立ち上がりながら了承してくれ、すぐに隣の部屋で俺の脳波を検査することになった。検査時間自体は数分といった所だろうか、電極を取り付けるとかそんなことをしなくても計測できるようだ。
「結論から言うと、君の脳波も他のレベルアッパー使用者と同じなんだね。意識不明にならずに生活できているという点については何とも言えないのだが……」
また元の部屋に戻ってから、パソコンの画面で俺の脳波パターンを見ながらカエル顔の医者が説明してくれる。アニメの説明では、脳波パターンがプロトコルの役割だったはずだから、この世界でも同じだとするならば、俺が施した演算能力の使用制限は脳波パターンに全く影響を及ぼさないとみて良いのだろう。もし、アニメと設定が違っていたとしても、俺の脳波が他のレベルアッパー使用者と同じになっていて、尚且つ意識不明に陥らずに済んでいるという事実は変わりようがない。
「そうですか。ありがとうございました」
こうして俺たちは病院を後にしたのである。
「特定の脳波パターンがはっきりしてるなら、その脳波パターンと一致する脳波パターンを元から持ってる人が一番怪しいって事よね?」
「そういう事になりますわね」
病院からジャッジメントの177支部に戻り、御坂さんが推測したことを白井さんが肯定する。すでに俺からアイテムの二人にも連絡しているので、二人ともその内ここに来るだろう。
「バンクの検索って脳波パターンでもできるの?」
恐らくできるだろう事は分かっているのだが、俺も一応白井さんに聞いてみる。
「勿論ですわ。初春にバンクの検索をして貰えば……って、その初春が居ないんですの……」
「あー、そうだった」
白井さんが答えてくれるが、バンクの検索ができる初春さんがこの場に居ないのでガックリとうなだれる。そしてその事については御坂さんも知っているようで、白井さんと一緒にうなだれていた。
「それで初春さんはやっぱり木山先生のところに?」
「ええ、そうですの。病院まで佐天さんに付き添ってからすぐに木山先生のところへ向かったそうですわ」
初春さんの行方を一応白井さんに聞いてみるが、やはり木山先生のところへ行ったようである。
「初春さんが居ないと何ができないの?」
この支部に来たときに紅茶を淹れに行っていた固法さんが戻ってきて聞いてくる。
「あ、どうも」
「あ、固法先輩。実は……」
俺が紅茶を受け取っている間に白井さんが現状の説明をする
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