第四十二話 佐天さん倒れる
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を躊躇った……と?」
「そんな所じゃないかな。ところで、当の初春さんは?」
俺の言いたいことを何となく理解したらしい白井さんに答えつつ、丁度名前が出てきた初春さんの行方を白井さんに尋ねる。
「今は木山先生の所へ向かってる途中だと思いますの」
「あー、そうなんだ。初春さん一人で脱ぎ女に対処できると思う?」
初春さんが木山先生のところへ行っていると言うことは、そろそろカエル顔の医者に脳波パターンの話を聞いて木山先生を割り出す作業に入るのだろうと思ったので、特に考えず無駄話を振ってみる。
「あ……いや、しかし、あの方も常に脱いでいるわけではありませんし、研究所の中なら特に暑くなるような事は無いと思いますの」
「まー、基本的には大丈夫だと思うけどねぇ……」
一瞬白井さんが止まったものの、冷静に考えれば意味もなく脱ぎ出す人ではないという結論に至ったようである。それはあながち間違ってもないのだが、白井さんは停電中で暑い病院内での『脱ぎ女』しか知らないので仕方がないのかもしれない。アニメのようにファミレスでも脱ぎだしていたなら、もう少し不安が強まっていたかもしれないのだが……。
「おや、その初春からですの」
「木山先生が脱ぎだしたって?」
白井さんのケータイに電話がかかってきてそれが初春さんからだと分かったので、俺はまた悪乗りして軽口を叩いていた。
「まさかそんなことは……もしもし、初春……え? 佐天さんが!? それで……ええ、分かりましたわ。神代さん、佐天さんがレベルアッパーを使ったようですの! すぐに病院へ急ぎますわよ!」
「えっ!? あ……うんっ!」
ケータイで初春さんと話し始めた白井さんの言葉に「佐天さん」の名前が出てきたので嫌な予感が頭の中をよぎる。その予感は間違っていなかったらしくすぐに白井さんが教えてくれたのだが、現状で佐天さんがレベルアッパーを使うことなどまずないだろうと思っていたので、白井さんからの呼びかけにすぐに反応できなかった。
初春さんからの電話の直後、白井さんのケータイに丁度御坂さんから電話が掛かって来たので佐天さんのことを伝え、佐天さんの様子を見るために皆で病院へ行くことになった。白井さんは御坂さんを迎えに行き、俺はタクシーを捕まえて病院へ向かうことになったのだが、タクシーがなかなか捕まらなかったので作成空間から取り出した自分の車で向かうことにする。
俺自身、元の世界では免許も取ったし車も運転していた上に、かなり前の世界になるがグランツーリスモっぽい自動車レースの世界でレースをしていた経験もあるので、車の操作に困るようなことはない。困ることを強いて挙げるとすればこの世界の免許がないことと、身長に応
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