第1章:平穏にさよなら
第15話「草の神」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だよね...。」
「導かれてる?...なんか怪しい予感が...。」
それは僕も理解している。だけど、なぜか向かわなくてはいけない気がした。
「...ここ?」
「多分...だけどね。」
感覚だけで辿り着いた場所は“八束神社”。海鳴市でも有名な神社で、夏には祭りを開催したりもする。
「神社に導かれたって...なんだろう、神様関連?」
「...だとしても、行くしかないだろうね...。」
石段を上り、境内に入る。
「....あれ...?」
石段を登り切り、最初に見たのは...。
「あ、おはようございます。」
セミロングの茶髪の巫女さんと、その傍らにいる子狐。そして、彼女に介抱されている明らかに弱った勾玉の首飾りを付けた狐だった。
「おはようございます。...あの、その狐は...。」
「朝、ここに来たら縁側に倒れていたの。一応、命の危険はなさそうだけど、目覚めなくて...。」
反射的に、最近使えるようになった解析魔法を掛ける。
「(身体衰弱...生命を維持するための仮の姿?...霊力不足による気絶状態?)」
どうやらただの狐じゃなさそうだ。...というか、霊力ってなに?
「(...でも、なんとなく、分かる。僕が導かれたのは、この狐だ。)」
無意識に狐に近づく。そして、優しく狐に触れる。
「....“譲渡”。」
狐が淡い青色の光に包まれる。突然の事に巫女さんも緋雪も...それとおそらく子狐も驚いているけど...僕自身、無意識だったから驚いている。
「(...なんで“霊力”持っててそれが渡せるの?)」
これも以前に見たステータスのアビリティのせいだろうか?
「っ.....。」
「あ、起きるかな?」
巫女さんが僕のやったことを聞こうとしたが、狐が目覚めそうになってそれを取りやめる。
「....っ!?」
「っと?」
狐は目覚めた瞬間、辺りを見回して僕らを認識し、すぐさま縁側に置かれていた木製の弓と矢筒を器用に引っ掛けて持ち、僕らから距離を取る。
「....あのー、あの弓矢は?」
「えっ?あ、確か狐と一緒に縁側に置いてあったんだけど...。」
...つまり、あの狐の物か。
「......。」
凄い敵意を抱いて僕らを見てくる。
「くぅー....?」
「あっ、久遠...!」
「っ......。」
子狐の方が狐に近づいていく。狐の方はやはり警戒しているようだ。
「....くぅ、仲、間...?」
「えっ?」
「うん?」
あれ?この子狐、喋らなかった?
「
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ