第九幕その八
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「お空ではリングなのよ」
「本当はアーチが主ですよね」
「そうなの、けれどね」
「それでもですか」
「地上ではそのリングが全部出せないから」
「アーチになっているんですね」
「そうなの」
こうジョージにお話するのでした。
「地面に着くから」
「虹が」
「そういうことなの」
「そうですね、けれど虹のリングは」
「綺麗よね」
「はい、アーチもいいですけれど」
それでもというのです。
「リングも」
「そうよね、あのリングを出したのは二番目のお兄さんよ」
「ポリクロームさんの」
「そうよ」
「そうしたことがおわかりになるんですか」
ジョージはポリクロームの言葉にふと首を傾げさせて返しました。
「僕にはわからないですけれど」
「誰が作った虹かは」
「はい、そうしたことはわからないですけれど」
「私達にはわかるの」
「虹の精霊さんならですか」
「そう、わかるの」
そうだというのです。
「見ればね」
「どうしてわかるんですか?」
「私達のそれぞれの虹の作り方があって」
「それが虹に出るんですか」
「それに名前が書いてあるから」
「あれっ、そうですか?」
「私達の言葉でね、私達だけが見える様に」
「ううん、そうなんですね」
ジョージは先生のお話を聞いて唸る様にして言いました。
「精霊さん達にだけわかるんですね」
「そうなの」
こうジョージにお話します。
「それで私にはわかったの」
「あの虹を作ったのが誰なのか」
「そうなの、それとね」
「それと?」
「私達は虹の上を歩けるの」
「あっ、そうなんですか」
「それで虹の作り方次第でね」
それによってというのです。
「皆も虹を渡れるわよ」
「虹のアーチの上をですか」
「そう出来るのよ」
「流石は不思議の国ですね」
虹の上を渡れると聞いてです、ジョージは目を輝かせて言いました。
「虹をですか」
「そうなのよ」
「何かそれって」
恵梨香がここで言いました。
「昔あったゲームみたいですね」
「昔あったって?」
「ええ、お父さんが虹を見た時に私にお話してくれたの」
恵梨香はジョージに答えました。
「昔虹を作ってその上に乗って先に進んだりその虹を踏んで崩して敵をやっつけるゲームがあったって」
「へえ、虹を武器にも使うんだ」
「そうしたゲームがあったの」
「それしたいね」
「今思い出したけれど」
「日本には昔そんなゲームもあったんだね」
「凄く面白かったそうよ」
こうジョージにお話するのでした、恵梨香も。
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