第1巻……動き出す緋色の運命
3弾 部屋割と模擬戦と……オレの部屋はどこ?
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た。その組織について知ることはない……(アリア……もし、伊・Uについて調べてるならすぐに手を引け)」
オレは日本語で喋りつつ、口は英語で動かしてアリアに読取らせる。
危ない橋を渡ろうとする幼馴染を止めるつもりだったのだが……これはオレの中での一つの賭けだ。
ここで思い止まるならオレの勝ち……突き進むなら……アリアの覚悟を見極めることにしたのだ。
まぁ、多少手荒い方法になるだろうけどな……。
「あんた……もしかして知ってんの……?」
「オレは何も知らない(知りたいなら、オレと模擬戦しろ)」
腹話術を使えばこんな風に話すことができるんだよな……
そして、昼過ぎの今から放課後までの強襲科の履修を活用して闘技場を借りたオレとアリアが一騎打ちに臨んでいる……というわけだ。
◯
小太刀を構えて超人的な瞬発力でアリアは俺の懐に入り込んで来る。
それを迎え撃つようにオレの剣が振り下ろされて小太刀に滑らせる様に受け流されるが、そのまま一回転した俺の右手の剣がアリアに迫る。
「どうした?……踏み込みが甘いぞ!」
「ッ!?」
ガギィンッ!!
オレはアリアの小太刀をすべて捌き、はじき返していた。
アリアと彼女の制服は土まみれの泥だらけだった。
一方的に攻め立てるオレ……楽しいか?……んなわけねぇだろうが!!
力量の差が開きすぎて相手にならないのだ、Sランク武偵のアリアでも、俺には及ばない。
武器の質量の差も全てがオレにアドバンテージがある。
「その程度で伊・Uに刃向かうのか?挑戦しようってのか?……舐めてんじゃねぇぞ……アリアッ!!」
「しまっ……キャアァッ!」
オレは切りかかってきたアリアの小太刀ひとつを弾き飛ばし、宙で身動きの取れない彼女を蹴り飛ばした。
完膚なきまでに叩き潰して、その自信をへし折ることにしたのだが……正直言って……胸クソ悪いものである。
だが、この程度で伊・Uに立ち向かうのは死に急ぐようなものだ。
加減したくもなるが、ここは心を鬼にしてアリアに問いかけた。
「アリア……おまえは弱いよ……おまえ自身が思ってる以上にな……だから諦めて現実を見ろ。それにおまえ……その様子じゃあまだパートナーを見つけてないな?」
アリアはビクリッとその言葉に反応した。
「諦めろ……ですって……」
「そうだ、諦めろ」
オレはあくまでも冷静にアリアに言う。
「諦めるなんて……無理よ!!」
アリアは自身を叱咤するように震える足で小太刀を支えにしながらも立ち上がる。
……何がアリアをここまで突き動かすんだ……いったい、何が……
「あたしがここで諦めたら
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