Die
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「ま、まぁ…………ちょっとね」
実を言うと実家から送られてきた手紙で知った事なのだが。
香風 タカヒロ。
俺の母親の弟だったらしい。
俺の記憶は不確かで曖昧だ。まぁ、記憶喪失の時点で曖昧以前の問題だけど……そのタカヒロさんって人は俺を引取りたいらしい。
俺は、つい最近まで施設で暮らしていた。
まぁ、色々訳有って俺は施設で数年過ごし高校進学と同時にその施設を出た。
その直後だった……タカヒロさんから手紙は。
手紙の内容は俺を養子として引き取って暮らしたい…………最初は疑った。
だって……俺は記憶を失ってる。だから、タカヒロさんの事も知らないし……昔の俺は知ってても今の俺は忘れてるんだ。
そんな俺に、突然こんな手紙が送られてきたんだ。
誰だって疑うし不安になるだろ?
最初は断った。
でも、タカヒロさんからの手紙は潰える事は無かった。
根気負けしたって言えばいいのかな? 熱意が伝わってきたんだ。
結局、俺は了承した。
今日から俺は香風一家の一員…………正式には数日前から一員扱いだけど揃わないと駄目だ。
やっぱり家族って揃ってからこそ家族なんだ。
記憶を失った俺が、言えた口じゃないけど…………多分、そうなんだ。
「あの……その……」
「今日から…………よろしくね」
「チノちゃん! 遅れてごめんね!
帰る途中で野うさぎを発見してね!それでね!もふもふしようとしたら逃げちゃってそれでね!」
元気一杯な女の子の登場…………チノちゃんの言ってたココアって名前の女の子だな。
「…………ココアさん。
先日、ココアさんが直した店の看板の名前綴りを間違えてました。
horseってなんですか? 馬なんですか? rabbitじゃないんですか?」
「え〜!?そうなの!?
ごめんチノちゃん!!もふもふするから許して!」
「やめて下さい……許可する前に結局もふもふしてるじゃないですか」
「もふもふ、もふもふ」
「………………」
なすがままされるがままチノちゃんは偉いな〜。
もふもふ!もふもふ!
女の子同士のじゃれあい…………待てよ? 一方的なしじゃれあいってじゃれあいなのか?
いや、じゃれあいって言葉を使ってる時点でじゃれあいなんじゃぁ……。
「あれ? 隣の人は…………なんでバーテン服?」
俺の服装を見てココアは呟き…………ジロジロの俺の周辺をぐるぐると回って観察する。
「誰?」
「結局それですか!」
天然なのね…………ちょっと慣れない人だ。
珈琲カップを拭きつつ俺は笑った。
自然と笑わされたな……人を笑わせる才能を持ってるねココアちゃんは。
「初めまして香風 始焉です」
「初めまして!保登 心愛です!」
「
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