Die
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【お兄ちゃんのご注文は魔法少女なんだね!】
湖の大地で少年は目覚めた。
地面は湖なのか? 水のちょっぴり冷えた感触は違和感を感じさせ足元の湖を踏んでみる。
変な感触だ…………水の表面上で押し止められてる様な、足を動かすと波紋は広がり湖全体を揺るがした。
「兄様、御機嫌麗しゅう」
――――――その声…………って事は夢物語なのか?
「はい、兄様」
――――――はぁ、珍しな。お前から俺を尋ねるなんて。
「そうでしょうか? 私と兄様は運命共同体、私は兄様で兄様は私なのですよ?
珍しいなんて事は有りませんわ」
――――――まぁ、そうかもね。
「案外驚かねないのですね」
――――――何を? お前の成長した姿を見て興奮するとでも思ったのか?
「いえ、まぁ、ほんのちょっぴり思って欲しかったです」
――――――なんだそれ? まぁ、ちょっと……ちょっと驚いたよ。
「ちょっと? その驚きはどの様な具体的に述べて下さい」
――――――う〜ん…………そうだな。昔より大人ぽいのと髪、伸ばしたんだな似合ってるよ。
「それだけですか?」
――――――………………綺麗だよ、恥ずかしい事言わせるな。
「まぁ、兄様の恥ずかしがり屋さんですね」
――――――五月蝿い! 俺は事実を述べただけだ! 用はそれだけか、それだけなら俺は帰るぞ!
揺られ。揺られ。揺られ。揺られ。揺られる。
現実の少年の本体は眠っている。夢から覚める事、それは少年の心を狂わす時。
少年の夢は悪夢? それとも幸福? 少年の目は覚めない。
列車到着時間まで残り30分。
「兄様、あの時、誓った言葉を覚えておりますか?」
――――――……………………。
「あの瞬間、あの刹那の時間を交わした盟約を覚えておりますか?」
――――――…………覚えてるよ。
忘れる訳ないだろ。
俺達の契約を―――――俺達の罪を。
「なら、結構ですわ! 私ちょっぴり不安でしたの…………兄様は変わられたから」
――――――変わられたって? 昔と変わんないよ、今も昔も俺は変われない。
「いえいえ、身長だって伸びてますし…………生の兄様を観るのは何年ぷりでしょうか?」
――――――夢物語で会ったのは9年ぶりじゃないか?
「もぉ、そんなに時は流れたのですね…………時の流れは残酷ですね」
――――――お前からすればな、俺自身は変わってないけど。
「そんな事は有りません…………兄様は変わってしまわれましたわ」
――――――……………………?
「肉体的にも身体的にも、兄様の心は彩っている」
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