6話 キャルフォルニアの嵐(キャルフォルニア奪還) 10.27
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UC0079.10.27 ルナツーを制圧したジオンは宇宙での勢力圏の8割方手中に治めていた。
残りの1割強が中立を保つサイド6群と若干の連邦よりのサイド7だけであった。
その最中、月面のフォン・ブラウン市とグラナダ市だけは中立よりというよりもどちらつかずな状況が暗黙の公認という形であり(グラナダ市はジオンよりだが)、連邦ジオンと入り交じりながら経済が動いていた。
サイド6のインダストリアル1が共同研究場だが、月面都市群は各企業の実働生産拠点の1つであった。
フォン・ブラウンに到着したホワイトベースはそのまま改修のためドック入りしてしまい、ブライト、アムロ、シロッコとリュウはウォンに連れられて、アナハイムのある工場へ案内されていた。
「諸君らに既に新しい母艦のテストと新型機のテストと試して頂いた。良質なデータが取れたことで研究部は喜んでいたよ」
「それはどうも」
ウォンの問いかけにブライトは沈痛な気持ちになっていた。ルナツーが落ち、ワッケイン艦隊が壊滅したとジャブローから報告があって1ヵ月弱。若さ故にと経験が新兵と変わらないブライトにとっては衝撃的な出来事だった。アムロはそんなブライトに優しく声を掛けた。
「失ったものはもう戻りやしない。今を見てオレたちのできることをしていかないと。艦長として堂々とみんなの前に立って欲しい」
「アムロ・・・すまない。分かっているのだが」
シロッコやリュウもフォローに入る。
「アムロ君の言う通りだと思うが、それほど人は強くはできていないさ。出港までに整理は付けてもらえればいいと思う」
「シロッコ中尉と同感だ。ブライト中尉、貴官がそれ程背負い込む必要はないと思える。彼らは我々よりも経験豊富なプロの軍人なのだ。それでも選択を誤ればそうなる。戒めにして今後の糧にすることが彼らへの何よりの手向けになるだろう」
「シロッコ中尉、リュウ・・・確かにな・・・済まなかった」
ブライトは挫けていた心にようやく整理する心構えが出来たと感じた。ウォンもそれを見て微笑を浮かべた。
「若いうちはいろんなことを経験して成長していくものだよブライト君。さて、こちらの部屋がそうだ」
廊下を進みある部屋に入ると高さビル10階建てくらいの吹き抜けに出た。そこには1ヵ月余りかけてできたアナハイムの新型機があった。
「ガンダムの汎用性とレイ君、アムロ君、シロッコ君のアイデアを取り入れたRGM-79C ジム改。当初は連邦との共同研究でRGM-79の量産化に努めようと考えたが様々な改良点がこれほど早く解決するとは思いもよらなかった。これをキャルフォルニアの本社工場でも製造ラインを整え開始している。こちらの商品はこのフォン・ブラウン工場でも10体は製造済みだ」
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