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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
episode2:その異変は唐突に
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。ならば異変の影響か。この異変は妖怪を凶暴化させる上に、凶暴化させた妖怪の力を強めるらしい。
ヤバくない?ひょっとしたらこの異変、歴代でもかなり危険度高い異変じゃね?──と、まあ考える事で紛らわしていたが、流石にそろそろ限界らしく……
「痛ぁっ??何これ痛いマジ痛い??」
普通に涙目になりながら殴り飛ばされた腹を抑える。今迄に感じたことの無いレベルの痛みを感じ、地面で悶える。ゴロゴロと左右を転がる事で往復し、痛みを紛らわせようとする。
そうこうしている内に妖怪はさらなる追撃を加えようと──
「アカンッ??」
する前に何とか転がり、爪を躱す。いかんいかん、咄嗟に関西弁が出ちまったよ。
爪は深々と地面に突き刺さり、その切れ味を見せ付けてくる。うっわぁ……あんなの当たったらグッチャグチャになるわ恐ろしい……
軽く青ざめつつも撃退用の札を取り出し、妖怪のさらなる動きに備える。幸い妖怪の動きは鈍い。よく観察していれば躱すことは容易いだろう。
爪を引き抜いた妖怪は、正気を失った顔から涎を垂らしながら再びヒメノへと迫り──
天空から飛来した、無数の輝く札に叩きのめされた。
「……アンタ、何してんの」
「あー、これはー……なんというか……ごめんなさい」
空から聞こえる怒気混じりの声に軽く萎縮しつつ、その声の主に謝罪する。
妖怪を昏倒させ、地面に突き刺さっている札に書かれているのは『博麗』の二文字。
──キタ!キタ!公式チートさんキタ!これで勝つる!
「ったく……人が気持ち良く過ごしてたってのに。妖怪共は空気読めないわね……ちっとはあの竜宮の使いを見習えっての。……魔ぁ理ぃ沙ぁぁ!」
大地に降り立った霊夢──博麗霊夢は、懐からさらなる札を取り出すと、人里の外に居るであろう魔法使いの少女の名を叫んだ。数秒経つと、人里の妖怪の集まっていた人里入り口辺りの方角から小さく聞き覚えのある声が返ってくる。
「おっそいぞ霊夢ぅ!いつまで私にやらせる気だぁっ!」
「うっさい!こっちは癒しのひと時邪魔されてんのよ!結界を敷くから、人里付近から一匹残らず妖怪を叩き出しなさい!」
「無茶言うな!私は一人しか居ないぜ??」
「殲滅はアンタの得意分野でしょうが!それともアンタが人里全域を覆う結界でも張る??」
「それこそ無茶だっての!分かったよ、やってやる!」
声と同時に、魔理沙がいるであろう方角から一筋の光が立ち上る。アレは……恐らくは、魔力を纏って加速した魔理沙だろう。
「魔砲……ッ!」
魔力の渦が現れ、魔理沙の手の中に……正確には、その中に収まる『ミニ八卦炉』へと集まっていく。
集まった魔力は炉の中で循環し、天を覆う瘴気が妖怪達に対して
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